京阪電気鉄道のホームドア:祇園四条駅のタイプ

| タイプ | 腰高式(一部二重引き戸タイプ) | |
|---|---|---|
| メーカー | 三菱重工交通・建設エンジニアリング | |
| 開閉方式 | 開扉 | 自動(定位置停止検知・両数検知・車両ドア数検知) |
| 閉扉 | 自動(車両ドア開閉検知) | |
| 停止位置許容範囲 | ±650mm(TASCなし) | |
| 開口部幅 | 【推定】3,000mm~4,540mm | |
| 非常脱出ドア | 開き戸式(一部の車両連結部) | |
| 支障物検知センサ | 3Dセンサ | |
京阪電気鉄道の祇園四条駅では、2026年2月28日に1番線で、同年3月21日に2番線でホームドアの稼働が開始されました。京阪の駅としては6駅目のホームドア整備で、1駅すべてのホームで設置が完了したのは同駅が初めてです。
既設駅と同じく車種によるドア位置の違いに対応した二重引き戸式大開口ホームドアですが、同駅のタイプは扉部分のデザインなどに改良が加えられているほか、業界初となる「戸袋実装式ドア開閉検知システム」が採用されています。
目次
1 ホームドアの概要

メーカーは既設駅の従来タイプと同じく三菱重工交通・建設エンジニアリングで、一重引き戸と二重引き戸の組み合わせによってさまざまな開口幅を作り出し、車種によるドア位置の違いに対応しています。
外観で大きく変わったのは扉部分の透過ガラスです。従来タイプは透過ガラスのサイズが同メーカーの標準仕様より小さい点が特徴でしたが、本タイプでは大型化され開放感が向上しました。一重引き戸のガラスが2分割された構造は、神戸市営地下鉄西神・山手線や京成電鉄押上駅で採用されたタイプと類似しています。


筐体は基本構造こそ変わっていないように見えるものの、ホーム側パネルの分割数など細かな改良点も多く、詳しい仕様は分かっていません。4両・6両・7両・8両に対応した構造で、各編成両数の最前部・最後部となる車両連結部に限り乗務員出入り口を兼ねた非常脱出ドアが設けられている仕様は従来タイプと共通です。

各開口の非常開ボタンと3D式支障物検知センサも外観の限りでは大きく変わっていませんが、後述のように、一部の筐体には「戸袋実装式ドア開閉検知システム」用と思われるカメラが設置されています。
2 ホームドアの開閉方式
京阪のホームドア開閉方式は、地上側の各種センサにより列車の定位置停止やドア開閉状態を検知してホームドアを自動開閉する「地上完結型連携システム」が導入されています。この方式は既に多くの鉄道事業者で採用実績がありますが、京阪では車両ドア数の判別もこのシステムが行っている点が特徴です。
詳しくは別記事をご覧ください。

冒頭でも述べたとおり、同駅における最大の特徴は「戸袋実装式ドア開閉検知システム」の実用化です。
従来はホーム上屋などに設置した2Dセンサ(赤外線)で車両ドアの開閉状態および車両ドア自体の有無を検知していましたが、これをホームドア本体の線路側に内蔵したカメラによる画像認識に変更することで、設置・メンテナンスの手間や車両の材質・塗装などによる影響を低減しました。三菱重工交通・建設エンジニアリングの公式X(旧Twitter)の投稿によると、このようなシステムは業界初採用とのことです。
筐体線路側を見ると、一部の開口部に限り支障物検知センサとは別のカメラのような装置が確認できます。これが本装置に用いられているカメラだと思われます。

淀屋橋方1か所のみ従来通り天井に設置

また、ホーム複数個所で車両の有無を検知して編成両数を判別する「在線検知センサ」についても、淀屋橋方ホーム端部の1か所を除いて筐体線路側に設置する形に変更されました。これにより、既設駅と比べて頭上が非常にスッキリした印象を受けます。
一方、各ホーム1か所に設けられている「定位置停止検知センサ」の仕様は変わっていません。
3 おわりに
前述のとおり、京阪は車両ドア数の判別も地上完結型システムで行う関係上、車両ドア開閉検知センサを標準より多く設ける必要がありました。そんな環境下において戸袋実装式システムを採用したことは、機能性・実用性・コスト面での優位性といったメリットをより発揮できるという点で最適な条件だったのかもしれません。
今後は2026年度~2028年度の間に計8ホームでホームドアを整備する計画(具体的な設置駅は非公表)を示しており、祇園四条駅で採用された新たなタイプおよびシステムが標準になっていくと思われます。

