阪急電鉄のホームドア:高槻市駅の仕様(メトロ車対応大開口タイプ)

| タイプ | 腰高式 | |
|---|---|---|
| メーカー | 京三製作所 | |
| 開閉方式 | 開扉 | 自動(定位置停止検知・両数検知) |
| 閉扉 | 車掌手動操作 | |
| 停止位置許容範囲 | ±900mm(TASCなし) | |
| 開口部幅 | 2番ドア | 3,200mm |
| 1・3番ドア | 3,740mm | |
| 非常脱出ドア | 開き戸式(各号車連結部) | |
| 支障物検知センサ | 3Dセンサ | |
阪急電鉄の京都線高槻市駅では、2026年3月17日に3・4号線(大阪梅田方面)で、同月31日に1・2号線(京都河原町方面)で可動式ホーム柵(以下:ホームドア)の稼働が開始されました。京都線の駅としては4駅目のホームドア整備です。
千里線および京都線の淡路駅〜高槻市駅間に直通運転で乗り入れるOsaka Metro堺筋線66系は阪急車と車両ドア位置が異なることから、上記区間で最初のホームドア整備駅となった同駅では、現行の標準タイプをベースに一部開口幅を拡大した仕様が初めて登場しています。
目次
1 ホームドアの仕様
1.1 基本仕様

本タイプは京三製作所が従来製品の特長を統合して新たに開発したリニューアル製品で、2025年度下期以降のすべての整備駅で採用されています。大開口化にも大きな仕様変更なく対応可能なことから、高コストな二重引き戸式大開口ホームドアでなくても阪急車とメトロ車のドア位置の違いに対応できるようになりました。すなわち、本タイプ自体がメトロ車直通区間におけるホームドア整備を目的に開発されたのです。
なお、高槻市駅においても阪急車とメトロ車でドア位置が変わらない各号車2番ドアの開口幅は標準と同じ3,200mmで、全体的なデザインなども特に変わっていません。基本仕様については別記事をご覧ください。
1.2 各号車1・3番ドアの大開口

メトロ66系は阪急車と比べて車両ドアピッチが広く、各号車1・3番ドアの位置には最大270mmのずれが生じます。そのため、同駅では各号車1・3番ドアの開口幅を標準より540mm広い3,740mmとすることで両車のドア位置に対応しています。

標準の車両連結部筐体は戸袋スペースが十分にあったため扉を一直線上に収納する形でしたが、本仕様は開口幅の拡大分だけ戸袋スペースが減少したため、車両ドア間筐体と同じく扉を互い違いに収納する形となりました。駆動装置などが収められた「制御ユニット」はそのままに、間を埋める「中央ユニット」の幅を変更して寸法の違いに対応できることが本タイプの特長です。
2 ホームドアの開閉方式
同駅のホームドア開閉方式は以下の通りです。
- 開扉:自動(種別判別・定位置停止検知・両数検知)
- 閉扉:車掌手動操作
阪急のホームドア開閉方式は、地上側の各種センサにより列車の定位置停止と編成両数を検知して自動開扉する一方、閉扉は車掌による手動操作で行われます。それに加えて、既存の設備との連動によって列車種別や車種に応じた制御を可能としています。
システムの概要は別記事で紹介しています。

筐体サイズが小さいため標準より詰め込まれている
各種センサや乗務員操作盤の仕様は特に変わっていないようです。なお、開口幅の拡大により乗務員扉から光電センサ式操作盤[1]「ホーム柵 閉」「ホーム柵 開」と書かれている部分に手をかざすことで閉開操作を行う。までの距離が離れるため、停止位置が少しずれた場合に車掌の手が届かなくなってしまうことが懸念されたものの、検証したところ操作性に問題ないことが確認されたそうです。
同駅においてホームドアシステムが対応している編成両数は8両と7両の2種類で、同駅に停車しない「京とれいん 雅洛」(6両編成)の発着は考慮されていません[2]車種判別用のRFIDタグ読み取り装置や乗務員出入りスペース確保のための筐体セットバックも設けられていない。。
3 おわりに
2026年度の設備投資計画によると、メトロ車直通区間における同年度中のホームドア設置予定はありませんが、今後同区間で新設される際は高槻市駅と同じ仕様になると思われます。一方、メトロ車が通常乗り入れない高槻市駅以北の桂駅や京都河原町駅ではすでに大開口ではない標準仕様のホームドアが整備済みのため、メトロ車の京都方面乗り入れは物理的に不可能になったと言えます。
出典・参考文献
- 井上 雄貴「相互直通運転に対応した大開口型新型可動式ホーム柵の導入について」『鉄道と電気技術』Vol.37-No.4、日本鉄道電気技術協会、2026年、p10-16



