JR東日本 山手線のホームドア:基本情報
2024年3月末時点の整備率
88%
(28駅56ホーム/30駅64ホーム)
JR山手線で最初のホームドアは2010年度に恵比寿駅と目黒駅で先行導入され、実際の運用時における様々な検証が約2年間にわたって行われました。その結果を反映して2012年度から2016年度にかけて本格的な導入が進み、2019年度からは駅工事との兼ね合いで着工が遅れていた駅などに順次設置されています。
ホームドア導入を前に、車両側にはホームドア連携用装置やTASC(定位置停止装置)を搭載する改造が行われました。また、一部区間で並行する京浜東北線が山手線の線路を使用する場合があることを考慮し、ドア位置を揃えるために1編成に2両連結されていた「6ドア車」は全て4ドア車に置き換えられました。
2020年5月末時点で全30駅中28駅が設置済みとなり、残る未設置駅のうち新宿駅・渋谷駅は駅大規模改良工事の進展に合わせて2031年度末までに整備予定、使用頻度が低いため整備が後回しになっていた大崎駅2・4番線・池袋駅5・8番線も同じく2031年度末までに整備予定となっています。
目次
整備状況
タイプ・仕様
山手線のホームドアは大きく分けて3タイプが存在し、2016年度までに設置された駅と2019年度以降に設置された駅では外観・構造が大きく異なっています。また、京浜東北線と並行する区間では京浜東北線10両編成の発着にも対応するため一部開口幅が広いなどの違いもあります。
デザイン面はどのタイプも共通で、筐体部分の帯を内回りホームは太線1本、外回りホームは細線2本として見分けを付けやすくしている点が特徴です。
開閉方式・取り扱い
山手線のホームドア開閉方式は、トランスポンダ装置を用いた送受信により車両ドア側の開閉操作と連携するシステムです。列車が±350mmの停止許容範囲内に停止すると、1号車(外回り方先頭車)に搭載された「ホームドア車上子」と線路側に設けられた「ホームドア地上子」がピッタリ重なって情報の送受信が可能になります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
動画
出典・参考文献
- 「グループ経営ビジョン 2020-挑む-」について:JR東日本
- 山手線への可動式ホーム柵の導入について-恵比寿駅・目黒駅へ先行導入します-:JR東日本
- バリアフリー設備の整備を促進します ~ホームドアは整備を拡大・加速~:JR東日本
- 島津 優、岩崎 幸太、浜走 幸育「山手線ホームドア整備の現状」『JREA』Vol.55-No.4、日本鉄道技術協会、2012年、p36757-36760
- 狩屋 守「山手線ホームドア新設工事」『第31回 総合技術講演会 概要集』2016.10、日本鉄道施設協会、p13-16