都営地下鉄 大江戸線のホームドア:現行タイプ

都営地下鉄大江戸線では、2011年4月23日に清澄白河駅で同線初となるホームドアが稼働開始されました。その後も順次整備が行われ、2013年4月27日稼働開始の西新宿五丁目駅を以て、都営地下鉄としては三田線に次いで2路線目となる全駅整備が完了しています。2018年度には勝どき駅の大門方面行きホームが新設されるのにあたって、旧ホームのホームドアを撤去、新ホームに移設する工事も行われました。
三田線とはATO(自動列車運転装置)の仕様が異なる関係で開口幅が広げられているほか、開閉方式には「無線式ホームドア連携システム」が採用されています。
目次
1 ホームドアの仕様

ホームドアのタイプは三田線と同じく腰高式が採用されました。メーカーは2009年からホームドアの受注・生産を開始したばかりの日本信号で、最初期の導入事例の一つとなっています。
開口幅は車両ドア幅1,300mmにATO(自動列車運転装置)の停止精度±500mmを足した2,400mmで、三田線の2,000mmより広くなりました。これは、ホームドア導入を前提に高い停止精度(±350mm)のATOを導入した三田線に対して、大江戸線は1991年の開業当初よりATO運転を行っており、ATO停止精度がホームドアを前提とした値ではなかったためです。
デザイン面では、筐体の断面部分がメタリックに塗装されている点が特徴です。筐体ホーム側には同線のラインカラーであるマゼンダの帯が施されています。

大江戸線の車両は1両の長さ18m・3ドア車でドアピッチ(ドア同士の間隔)が広いため、左右のドアは互い違いではなく一直線上に収納されます。また、一部箇所を除く車両連結部(およびホーム両端)には開き戸式の非常脱出ドアが設けられています。
各開口部の両側には支障物検知センサと非常開ボタンが設けられています。支障物検知センサは3か所の光電センサを基本としていますが、乗務員出入りスペース確保のため筐体がホーム内側にセットバックされている部分は9か所に増やされています。

本タイプの大きな特徴として、車両ドア間筐体のホーム側に「列車接近表示器」が内蔵されており、列車の入線時はLED表示器に「電車がきます」と「Train Approaching」が交互表示されます。これは、従来の列車接近表示器がホーム頭上ではなく線路を挟んだ向かい側の壁に設置されており[1]同線は鉄輪式リニアモーター方式を採用することでトンネル断面の小径化を図っており、駅構内の天井も他路線より低いため。、ホームドア設置により見えにくくなる代替として採用されたそうです。
同じく車両ドア間筐体のうち、各号車あたり1か所の筐体上面には非常停止ボタンも内蔵されており、ホーム上の柱や壁面にある従来の非常停止ボタンと合わせて数が大幅に増加しました。

ホーム両端の非常脱出ドアは乗務員扉も兼ねる

大江戸線は1991年の開業当初よりワンマン運転も行われているため、乗務員操作盤は前部側のみ設けられています。また、1ホームあたり1か所程度の車両連結部には駅係員操作盤が内蔵されており、その箇所には非常脱出ドアがありません。
なお、同線のホームドアは後述する無線連携システムによって車両ドアの開閉操作と同期するため、通常これらの操作盤を使用することはありません。
2 ホームドアの開閉方式
大江戸線のホームドア開閉方式は、簡易的な無線通信で車両ドアとホームドアの開閉連携を行う「無線式ホームドア連携システム」が採用されています。三田線ではATO装置の機能を活用したトランスポンダ式連携を採用していますが、大江戸線では別途設けたシステムを用いることで、ATO装置を改修するよりも工期・費用を抑えることができました。
詳しくは別記事をご覧ください。
3 おわりに
前述の通り、大江戸線は開業当初からATO運転およびワンマン運転を行っていましたが、ホームドア設置によって安全性が大幅に向上しました。ホームドア本体に内蔵された列車接近表示器や非常停止ボタンといった設備は、のちに整備された新宿線・浅草線のタイプ、2019年度からホームドアの全面更新が行われた三田線の2代目タイプにも継承されています[2]列車接近表示器の内蔵位置や表示方法は変更されている。。
出典・参考文献
- 都営大江戸線ホームドア使用開始について|東京都交通局(インターネットアーカイブ)
- 都営大江戸線全38駅のホームドア整備完了 | 東京都交通局
- 平成31年2月11日 大江戸線勝どき駅の新設ホームを供用開始し混雑緩和と利便性の向上を図ります!|東京都交通局
- 立石 正弘「都営地下鉄大江戸線のホームドア」『R&M : Rolling stock & machinery』2012.2、日本鉄道車両機械技術協会、p18-22





