2019/04/08 JR筑肥線ホームドア設置工事状況

JR九州は、2017年11月から筑肥線の九大学研都市駅で実証実験を行った「軽量型ホームドア」を、2020年度中に筑肥線の下山門駅~筑前前原駅間の全駅へ設置することを決定しています。既に複数の駅で工事が開始されているということだったので、2019年4月8日に状況を観察してきました。

1 各駅の工事状況

(JK08)筑前前原駅

2番線の唐津方先端付近
2番線の姪浜方先端付近

2面4線のうち2番線のホーム補強工事は概ね完了している模様です。床面のアスファルトが新しくなっている部分が補強用の桁を新設した部分になります。線路側から見ると、車両のドア間隔に合わせて枕木方向に桁が入っているのが分かります。

3番線の唐津方先端付近
これから床面を剥離するための切り込み

3番線姪浜方の資機材置場
他の構造物の位置を示した図面

こちらは工事が始まった3番線。唐津方1両分ではホーム床面を剥がし始めて仮覆工パネルが敷設されており、その他の場所でも床面に切り込みが入れられていました。ホーム両端には資機材置場が設けられ、ミニショベルも留め置かれています。この柵にはホーム基礎内に埋設された雨水桝の位置などを示した図面が貼ってあり、こうした既存の構造物を支障しないよう念入りな調査が行われていることが分かります。

(JK07)糸島高校前駅

今年3月のダイヤ改正で開業した新駅ですが、開業時点でホームドアは設置されませんでした。ただし、床面にはホームドア筐体固定用のベースプレート及びケーブル配線用の開口を設けるための何らかの準備が既に施されているようです。この準備箇所の間隔から開口幅は九大学研都市駅と同じになるものと思われます。

(JK06)波多江駅

波多江駅では現時点で工事の様子は見られませんでした。

(JK05)周船寺駅

周船寺駅も現時点で工事の様子は見られませんでした。

(JK03)今宿駅

下りホームの姪浜方先端
下りホームの唐津方先端

今宿駅では下りホームで横桁新設工事が本格的に始まっており、6両分全てが仮覆工パネルで覆われています。また、ホームは6両分ギリギリしかないため両端を数m延長するようです。工事期間はちょうど1年程度とされており、従来の半分程度まで軽量化された軽量型ホームドアであっても、設置は決して簡単なことではないことがよく分かります。

桁にはケーブル配線用の穴が2つ開いているのが分かります
上りホームには切り込みを入れる線が記されていました
資機材置場は跨線橋の階段下スペースに
工事のお知らせ掲示

(JK02)下山門駅

下りホームの唐津方
上りホームの唐津方
現在の下りホーム姪浜方先端はこのような構造

下山門駅では下りホームの一部で床板撤去・新設が始まっています。同駅のホームは桁式構造のため筑前前原駅・今宿駅のような大規模な補強は必要ないようです。

また、上りホームは約5m、下りホームは約10mほど唐津方に延長する工事が行われており、これは反対側の姪浜方ホーム先端が非常に狭いためだと思われます。現在の下りホーム姪浜方先端にホームドアを設置し、なおかつ車掌監視用スペースのために筐体をホーム内側にセットバックすることを考えると、確かに人同士がすれ違うスペースすらなさそうです。手前の新設されたPC板が終了している場所が将来のホーム終端部になるということでしょうか。

同駅は跨線橋の階段付近も非常に狭く、この階段の先にエレベーターがあるため、車椅子などで通行するにはギリギリの幅となりそうです。

2 車両側の改造工事

駅側の工事が進む中、筑肥線を走行する車両では運転士用のドアスイッチを増設する工事が行われていることも確認しました。これも筑肥線ホームドア設置に関係するものだと思われます。

出典・参考文献

脚注

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