08/06 LIVE配信による被爆電車特別運行プロジェクト2020

広島市に原子爆弾が投下されてから75年となる2020年8月6日、広島電鉄に現在も3両在籍している “被爆電車” こと650形のうち被爆当時のカラーリングに復元された653号を使用した「被爆電車特別運行プロジェクト2020」が実施されました。

2020/08/06 銀山町~稲荷町にて

653号は1942年に5両が製造された広島電鉄650形のうちの1両。1945年8月6日、653号は江波付近で被爆し大破するも同年12月には復旧され、2006年までは現役で活躍しました。その後、原爆投下から70年の節目となる2015年夏に被爆当時のカラーリングに復元されて復活し、RCC中国放送との共同企画「被爆電車特別運行プロジェクト」が開始されました。

毎年6月~8月頃に実施されてきたこの特別運行は、乗客を募集して車内で原爆の被害や復興までの様子を上映しながら走行するというものでしたが、6年目となる今年は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、乗客の募集は行わずに車内からのLIVE配信を行う形での実施となりました。

その第1回目となる8月6日は653号自身が75年前に被爆した場所である江波から出発するコースで運行、第2回目は長崎原爆の日でもある8月9日、75年前の同日に広島の路面電車が最初に運転を再開した己斐~西天満町(現:広電西広島~天満町)を含むルートで運行されました。

詳細なルートは以下の通りです。

  • 8月6日の走行ルート:江波車庫→原爆ドーム前→千田車庫→紙屋町東→広島駅
  • 8月9日の走行ルート:広電本社前→原爆ドーム前→西広島駅→広島駅

これまで8月6日は通常の旅客輸送を優先するため653号の特別運行は行われてきませんでしたが、今年は式典への参列者が制限されるため、8月6日当日の特別運行が実現したとのことです。

出典・参考文献

脚注

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