2023年7月1日
広島電鉄 5100形5107号が再び宮島線で運行中 車両不足の影響か
広島電鉄では、今年5月に開催された「G7広島サミット」の期間中、5100形5101号「G7広島サミットラッピング電車」を宮島線から市内線に、5107号を市内線から宮島線にトレードして運行されました。サミット終了後はこのトレードも終了し、5101号のラッピングも解除されています。
しかしそれから約1か月後の6月下旬、一度は市内線に戻ったはずの5107号が再び宮島線で運行を開始しました。今回は5101号とのトレードではなく、相次ぐ5000形の運用離脱を補うための貸出だと思われます。
1999年から2002年にかけてドイツのシーメンスで製造された5000形「グリーンムーバー」は、数年前から多くの編成が不具合や部品取りによる長期離脱状態に陥っています。近年はその状況がさらに悪化し、1ヶ月前の時点で営業運転に使用されていたのは全12編成中たった3編成のみ。そして6月20日に5010号も車両故障を起こしたことで、いよいよ市内線から5107号を借りるほど車両不足が深刻になったようです。
データ上は現在も全編成が在籍している5000形ですが、その「騙し」が効かなくなるリミットが刻一刻と迫っているように感じます。2023年度の移動等円滑化取組計画書によると、2023~2025年度に導入される新車4編成はバリアフリー非対応車の置き換え用とのことですが、昨年公表された運賃改定に関する報道資料には “数年後には(中略)経年20年以上の超低床車両の代替時期となる” との記述があるため、5000形も正式に「廃車」される時期は近いかもしれません。