広島電鉄 十日市信号所「鳥の巣」解体される

広島市中区の広島電鉄十日市町電停は、本線の広島駅方面/西広島・江波方面と横川線の横川駅方面の線路がT字に接続し、5系統の電車が集結する運行上の重要拠点です。今月、この交差点の長年のシンボル的存在だった「鳥の巣」こと十日市信号所の操車塔が惜しまれつつ解体されました。

「十日市信号所」が完成したのは1952年。当時は塔の上の係員が目視で電車の接近を確認し、その行先に応じててこを操作しポイントを切り替えていました。1955年にはポイント切り替えが自動化[1]現在はトロリーコンダクターを用いて停止位置で行き先を判別する方式と電車のIDプレートから情報を読み取る方式の併用。されたため実際に使用されていたのは僅か3年ほどですが、塔の中をポイント制御の機器室として利用していたため、こうして令和の時代まで残り続けていたそうです。

2021/04/14
約70年間この交差点を見下ろし続けた「鳥の巣」
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解体前の最後の夜
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工事初日のうちに全体が足場と防音シートに覆われる
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交差点のシンボルは跡形もなく姿を消した

しかし、老朽化や耐震強度などの問題もあり、機器を更新するタイミングで塔の取り壊しが決定。解体工事は2021年9月6日から始まり、9月20日朝の時点で完全な更地となっていました。

今後は新たな機器が来月上旬までに設置される予定とのことです。

出典・参考文献

脚注

References
1 現在はトロリーコンダクターを用いて停止位置で行き先を判別する方式と電車のIDプレートから情報を読み取る方式の併用。

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