東京メトロ 半蔵門線のホームドア:標準タイプ 2025年度整備駅の仕様

タイプ 腰高式
メーカー ナブテスコ
開閉方式 開扉 自動(定位置停止検知)
閉扉 自動(ドア開閉検知)
停止位置許容範囲 【推定】±650mm(TASCなし)
開口部幅 【推定】2,950mm
非常脱出ドア 開き戸式(各号車連結部)
支障物検知センサ 3Dセンサ

東京メトロ半蔵門線では、2017年度から2020年度にかけて全14駅中11駅でホームドアが整備された一方、当初2023年度までに整備予定だった水天宮前駅・清澄白河駅・住吉駅は、世界的な半導体不足などの影響で当初予定より2年遅れの2025年度に順次整備が行われました[1]中島雄太郎氏(江東区議会議員)の問い合わせに対する東京メトロの回答。中島氏のX(旧・Twittre)より。。そして、2026年3月21日稼働開始の清澄白河駅を以て全14駅での整備が完了しています。

この3駅で採用されたホームドアは、既設駅の標準タイプをベースとしながらデザイン面で大幅な簡素化が図られた、言わば廉価版仕様となっています。

1 ホームドアの仕様

2025年度仕様の開口部
参考:標準仕様の開口部

ホームドアのメーカーは2020年度までの設置駅で標準採用されたタイプ(以下:標準仕様)と同じくナブテスコで、開口幅などの基本仕様は変わっていません。その一方で、2025年度設置駅の本仕様(以下:2025年度仕様)はデザイン面が大幅に簡素化され、同線のラインカラーであるパープルの装飾は一切施されませんでした。

なお、2024年度以降に整備された東西線の同メーカー製ホームドアも(一部駅を除いて)装飾が施されていない点で共通しています。

筐体・扉の断面形状
車両ドア間の筐体
車両連結部の筐体(非常停止ボタン内蔵タイプ)
参考:標準仕様の車両ドア間筐体
参考:標準仕様の車両連結部筐体

筐体も基本的な構造は変化していませんが、車両ドア間筐体の中央部分および車両連結部筐体の非常脱出ドアに設けられていたガラス透過部が省略され、非常にシンプルな外観となりました。もちろん、標準仕様の最初期設置駅で設けられていたデジタルサイネージもありません。

一部の車両連結部筐体に非常停止ボタンが内蔵されている点や、線路側の非常開ボタン・支障物検知センサ等に大きな変化は見られません。

その他の基本仕様について別記事をご参照ください。

2 ホームドアの開閉方式

半蔵門線のホームドア開閉方式は、地上側設備のみで車両ドアの開閉等を検知してホームドアを自動開閉するシステムが採用されています。これにより車両側の改造を不要として、従来のトランスポンダ装置を用いて車両ドアとホームドアの開閉を同期する方式と比べて早期整備に貢献しました。

なお、東西線も2022年度までの整備駅では同じシステムを採用しましたが、2024年度以降の整備駅では車両側のホームドア対応改造が進んだことから同システムを導入せず、暫定措置として車掌による手動扱いで運用されていました[2]その後、車両改造が完了したことでトランスポンダ式連携へと変更。。それに対して、半蔵門線も車両側のホームドア対応が進んでいるものの、完了までは当面かかる見通しのためか、2025年度整備駅においても引き続き同システムが採用される運びとなりました。

自動開閉システムの詳細は別記事で紹介しています。

3 おわりに

冒頭でも述べた通り、2025年度に整備された3駅の稼働開始によって、当初予定より2年遅れで半蔵門線ホームドア全駅整備が完了しました。ホームドアの存在意義を考えればデザインにこだわる必要はないものの、標準仕様の特徴だったスタイリッシュさを徹底的にコストカットした2025年度仕様は “特徴がないのが特徴” となり、どうしても物寂しさを感じてしまいます。

今後は、2028年度に半蔵門線および直通運転を行う東急田園都市線で運転保安装置が「CBTC(無線式列車制御システム)」に変更される予定で、ホームドアのトランスポンダ式連携化およびATO(自動列車運転装置)の導入もこれと同時期に行われるのかもしれません。

出典・参考文献

脚注

References
1 中島雄太郎氏(江東区議会議員)の問い合わせに対する東京メトロの回答。中島氏のX(旧・Twittre)より。
2 その後、車両改造が完了したことでトランスポンダ式連携へと変更。

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