10/02 東京メトロ半蔵門線の新型車両18000系第1編成が出場

2020年10月2日、東京メトロ半蔵門線の新型車両18000系の第1編成18101Fが、山口県下松市の日立製作所笠戸事業所を出場しました。

18000系は約40年にわたり活躍している8000系の置き換えを目的として、2021年度上半期から順次営業運転が開始される予定です。日比谷線13000系や有楽町線・副都心線17000系などの新型車両と同様に、省エネルギー機器の導入や全号車への車内フリースペース設置など、さらなる安全性・快適性の向上が図られています。

1 外観

車体の基本構造は同じく今年から製造開始された17000系とほぼ同一ですが、大きな丸形ライトが特徴だった17000系に対し、18000系はつり目状の角形ライトとなっており、車両前面のイメージはガラリと変わりました。イメージ図によると前照灯は13000系類似のLED灯具をコの字型に配置した独特な形状をしています。

車体の帯は半蔵門線ラインカラーのパープルを基調とした濃淡の異なる2色で構成されています。従来の8000系・08系は赤紫に近い色ですが、18000系は現行のラインカラーに合わせた青紫に近い色となりました。フリースペースが設けられている車端部の窓上には、17000系などと同様に車椅子・ベビーカーのピクトグラムが提示されています。

2 編成

車両形式および車番の符番方法はこれまでの東京メトロの慣例通りで、1号車(押上・南栗橋・久喜方)から順に18101+18201・・・18901+18001となっていました。MT比は17000系と同じ4M6Tだと思われます。

3 主要機器

主制御装置(VVVFインバータ)
電動空気圧縮装置

VVVFインバータをはじめとした主要な床下機器は17000系と共通のようです。個々の銘板は読み取れなかったため完全な同一品かは不明ですが、少なくとも外観上で大きな違いは見られませんでした。

4 台車

台車も17000系と同一でモノリンク式ボルスタ付き台車の日本製鉄製FS781を装着しています。

5 運転保安装置・ATO(自動列車運転装置)

運転保安装置は、半蔵門線と直通先の東急田園都市線で現在使用されている新CS-ATC/ATC-Pと東武線内用のTSP型ATSを統合した「ATC/S装置」が両先頭車に搭載されています。半蔵門線では2024年度に無線式列車制御システム「CBTC」が導入される予定ですが、これに関連した表記は見当たりませんでした。

また時期は不明ですが、半蔵門線もATOの導入ならびに現在は地上完結型システムで運用されているホームドアの車両連携化が実施される見込みのため、1号車にはATO車上子が搭載されています。

6 列車無線アンテナ

両先頭車の屋根上には円筒型アンテナ2本とその間に逆L字型アンテナ1本が搭載されています。このアンテナの種類・本数は今年デジタル列車無線対応などの改造が行われた08系101Fと同様です(並び順は異なる)。そして今現在地下鉄線内を走行する上で必要となる誘導無線アンテナ(現行の車両は中間車に搭載)は搭載していないようなので、遅くともこの18101Fが本線上で試運転を開始するまでには半蔵門線のデジタル列車無線が運用開始されるのでしょう。

7 おわりに

アダプタを介して取り付けた自動連結器で連結されている5号車と6号車。

下松駅からの甲種輸送はEF210-5号機が牽引しました。輸送表によると着駅は長津田駅となっているため、東急電鉄の車両の甲種輸送と同様に、八王子駅で編成を2分割してから東急長津田検車区へ搬入し、その後東急田園都市線を経由して東京メトロ鷺沼車両基地まで輸送されることになりそうです。

18000系は今後、現在の8000系と同数の19編成190両が製造される予定です。

出典・参考文献

脚注

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