東京メトロ 半蔵門線のホームドア:大開口タイプ(表参道駅A線・錦糸町駅B線)

東京メトロ半蔵門線のホームドア整備では、車両側の改造に時間を要するATO(自動列車運転装置)などの導入が見送られました。そのため、直通先から東京メトロの乗務員に引き継ぐ渋谷駅または押上駅を出て最初の停車駅となる表参道駅A線および錦糸町駅B線には、運転士が車両のブレーキ特性に慣れていない可能性を考慮して、他駅よりもさらに停止余裕を広げるために二重引き戸式の大開口ホームドアが設置されました。

1 ホームドアの概要

1.1 共通仕様

タイプ 腰高式(二重引き戸タイプ)
メーカー ナブテスコ
開閉方式 開扉 自動(定位置停止検知)
閉扉 自動(ドア開閉検知)
停止位置 【推定】±800mm(TASCなし)
開口部幅 【推定】3,300mm
寸法 筐体 高さ1,350mm×厚さ280mm
高さ1,200mm(子扉)
非常脱出口 なし
安全装置 居残り検知 3Dセンサ
外観・構造は東西線ホームドアとそっくり
運転士向け停止位置マーカー

メーカーは他駅の基本タイプと同じくナブテスコで、半蔵門線と同時期に整備が始まった東西線の大開口ホームドア[1]停止余裕の確保に加えてワイドドア車が存在しているため。と基本構造はほぼ同じです。各号車連結部のうち1ホームあたり5か所には非常停止ボタンが内蔵されていますが、緊急脱出口はありません。

開口幅は基本タイプよりも約300mm広く、停止位置許容範囲は推定±800mmに広がりました。半蔵門線は東急田園都市線および東武スカイツリーラインとの相互直通運転で新旧さまざまな車両が乗り入れるため、この工夫によって運転士の負担が軽減されています。

1.2 錦糸町駅ではデジタルサイネージが廃止

2018年度に設置された表参道駅A線では、各号車連結部の筐体に広告やニュースなどを放映するデジタルサイネージが組み込まれています。しかし、2020年度に設置された錦糸町駅B線ではこのサイネージが廃止されました。なお、基本タイプについても2019年度以降の設置駅ではサイネージが廃止されていることから、いずれもコスト削減が目的だと思われます。

2 ホームドアの開閉方式

半蔵門線のホームドアは、センサ等の地上側設備のみで車両ドアの開閉等を検知してホームドアを自動開閉するシステムが導入されています。詳しくは別記事で紹介しています。

3 おわりに

通常タイプと大開口タイプの比較

運転士の慣れを考慮して1駅目だけを大開口ホームドアにした事例は半蔵門線が初めてだと思われます。もちろん全駅を大開口タイプにすれば運転士の負担はさらに減りますが、二重引き戸式のホームドアは機構が複雑で重量も増すことや、将来的に半蔵門線もATOを導入する計画であることを踏まえて、設備投資を最小限に抑えたのだと推測されます。

出典・参考文献

脚注

References
1 停止余裕の確保に加えてワイドドア車が存在しているため。

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