京成電鉄のホームドア:成田空港駅の仕様

タイプ 腰高式(一部二重引き戸タイプ)
メーカー 三菱重工交通・建設エンジニアリング
開閉方式 開扉 自動(車種判別・定位置停止検知・両数検知)
閉扉 自動(車両ドア開閉検知)
停止位置許容範囲 ±650mm(TASCなし)
開口部幅 一般部 【推定】3,200mm
最大開口部 【推定】5,400mm
非常脱出ドア なし
支障物検知センサ 3Dセンサ

京成電鉄の成田空港駅では、2020年7月11日に京成本線ホームの3・5番線で、同年9月12日に成田スカイアクセス線ホームの1・2・4番線でそれぞれホームドアの稼働が開始されました。京成のホームドア設置駅数はこれで3駅目でした。なお、両駅のホームドア整備事業は線路・駅などの鉄道施設を保有する成田空港高速鉄道株式会社が事業主体となって行われています。

当初は全ホームの整備完了が2020年6月末と発表されていましたが、新型コロナウィルス感染症の拡大により工事が一時中断したため、当初の予定より約2ヶ月遅れの整備完了となりました。

1 ホームドアの概要

奥:成田スカイアクセス線ホーム
手前:京成本線ホーム
閉塞が分かれているため縦列停車も可能
京成本線ホーム
成田スカイアクセス線ホーム

同駅は日暮里駅0番線および空港第2ビル駅と同じく、スカイライナーなどに使用されるAE形とその他の一般型車両が同じホームに発着するため、最大幅5m超の二重引き戸式大開口ホームドアが採用されました。扉部分の塗装も空港第2ビル駅と同じく、成田スカイアクセス線ホームはオレンジ色、京成本線ホームはブルーに塗り分けられています。

1~3番線まであるアクセス線ホームは、原則として1番線に一般列車(アクセス特急)、2・3番線にスカイライナーが発着していますが、一部例外となる列車もあるため全ホームとも大開口ホームドアが採用されました。

基本仕様については別記事をご覧ください。

2 ホームドアの開閉方式

2.1 開閉方式の概要

同駅のホームドアの開閉方式は以下の通りです。

  • 開扉:自動(車種判別・定位置停止検知・両数検知)
  • 閉扉:自動(車両ドア開閉検知)

京成電鉄のホームドアは、直通先の都営浅草線・京急線で採用されたQRコード式制御システムではなく、地上側設備のみで車種・編成両数の判別や車両ドアの開閉を検知する「地上完結型連携システム」によって制御されています。

詳しくは別記事をご覧ください。

2.2 各種センサの配置

成田空港駅の各種センサ配置図

上図はシステムを構成する3種類のセンサの配置を表しています。

AE形と一般車で車体長が異なることを有効活用し、1ホームにつき3箇所に設置された停止位置検知用センサの検知結果の組み合わせによって車種を判別しています。1つのホームに京成本線と成田スカイアクセス線の列車が縦列停車する2・4番線と3・5番線ですが、ホームドアのシステム的には別々のホームとして扱われています。

3 おわりに

奥:京成線ホームの大開口ホームドア
手前:JR線ホームの昇降ロープ式ホーム柵

同駅の整備によって、スカイライナーの全列車が停車する駅ではホームドア整備が完了しました。また、同駅のホームドア整備とほぼ同時期の2019年度末には、JR東日本の空港第2ビル駅・成田空港駅に昇降ロープ式ホーム柵が整備され、これにより京成・JRの両駅でホームドア整備が完了しています。

出典・参考資料

脚注

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