大阪モノレールのホームドア:ホームドアの概要と開閉システム

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大阪モノレールの各駅では、以前から設置されていた固定柵に代わって、2019年3月21日稼働開始の千里中央駅を皮切りに可動式ホーム柵(以下:ホームドア)の整備が始まりました。現時点で営業運転を行っている国内の跨座式モノレールとしては4路線目のホームドア導入です。

1 ホームドアの概要

タイプ 腰高式
メーカー 日本信号
開閉方式 開扉 自動(定位置停止検知)
閉扉 自動(ドア開閉検知)
停止位置 ±350mm(TASCなし)
開口部幅 2,000mm
寸法 筐体 高さ約1,350mm
高さ約1,200mm
非常脱出口 開き戸式(2-3号車連結部)
安全装置 居残り検知 3Dセンサ
大阪モノレールは1両あたり2つドアの4両編成
筐体の透過部から車両番号が見える

ホームドアのタイプは一般的な腰高式で、外観などの特徴からメーカーは日本信号だと推測されます。開口幅は2,000mm、停止許容範囲は±350mmです。TASC(定位置停止装置)等は導入されていませんが、固定柵の時代から同等の停止許容範囲で運行していたため特に問題はないのでしょう[1]東京モノレールや沖縄のゆいレールも手動運転でホームドアを導入している。

扉部分は大阪モノレールのコーポレートカラーであるブルーに塗装され、足元の隙間を確認しやすいように広い透過部が設けられています。筐体の中央部分、列車が止まるとちょうど車両番号の表記が見える箇所にも透過部があるのは、業務上の理由なのかもしれません[2] … Continue reading

3Dセンサと非常開ボタン
線路側から見た緊急脱出口
非常停止ボタン類と乗務員用扉
ホーム側から見た緊急脱出口

各開口部の支障物検知・居残り検知センサは3D式です。緊急脱出用の設備として、各開口部には非常開ボタンが、編成の中央にあたる2-3号車連結部には開き戸式の緊急脱出口が設けられています。

ホーム両端には固定柵時代から非常停止ボタンと非常電話が一体となった装置があり、ホームドア設置後は筐体に内蔵されました。その脇の乗務員用扉は引き戸式で、乗務員出入りスペース確保のため筐体がホーム内側へセットバックされています。

2 ホームドアの開閉方式

2.1 開閉方式の概要

同線の基本的なホームドア開閉方式は以下の通りです。

  • 開扉:自動(定位置停止検知)
  • 閉扉:自動(ドア開閉検知)

国内の他のモノレール路線では、トランスポンダ装置による情報の送受信を行うことで車両ドアとホームドアの開閉を連携しています。その一方で、大阪モノレールは車両側の改造を必要としない「地上完結型」のシステムが採用されました。

地上側のセンサのみで開閉を自動化し、乗務員の負担を抑えられることから導入事例の増えている方式ですが、モノレール路線および運転士のみのワンマン運転を行っている路線での導入は初めてでした。

定位置停止検知用センサ
車両連結部で定位置停止を検知する
車両ドア開閉検知用センサ
車両ドアが再開扉された時の様子。多少のタイムラグはあるものの、ホームドアも追従して開閉している

列車到着時は、1ホームにつき1か所の「定位置停止検知センサ」が車両連結部の位置を測定し、定位置停止を検知した段階でホームドアを自動開扉します。出発時は、1ホームにつき3か所の車両ドア上部に設置されている「車両ドア開閉検知センサ」が車両ドアの動きを測定し、それに追従してホームドアを自動閉扉します。

ホームドア状態表示灯

同線はワンマン運転を行っているため、運転士は停止位置前方の表示灯でホームドア開閉状態などを確認します。列車の定位置停止で緑色「」、ホームドアが開扉すると赤色「」が点灯し、ホームドアが閉扉すると再び緑色「」に戻ります。

2.2 万博記念公園駅2・3番ホームの仕様

万博記念公園駅の中線は両側にホームがある
「ホーム柵が遅れて開きます」という注意書き

前述の通り、基本的にホームドアは定位置停止で自動開扉しますが、万博記念公園駅2・3番ホームのみ車両ドアの開扉を検知してからホームドアが開く仕様となっています。つまり、ホームドアが車両ドアよりワンテンポ遅れて開きます。このようになった理由は、定位置停止検知による自動開扉だと客扱いを行わない側も開いてしまうためだと思われます[3]同駅から分岐する彩都線の列車は乗り換えの利便性を図るため左右両側のドアを開けるのに対し、本線の列車は方面別のドアのみを開ける。

2.3 3000系半自動ドア扱い時の対応

上:運転士用開閉操作盤
下:各開口の状態を示す個別表示灯
開閉ボタンやランプと並んで半自動ボタンがある

2018年から導入が始まった新型車両3000系には、停車時間が長い始発・終着駅での車内温度維持を目的として、国内のモノレールでは初めて「ボタン式半自動ドア」が導入されています。しかし、ホームドアの車両ドア開閉検知が機能したままだと、半自動ドア扱い時に一部の車両ドアが開閉されただけで全てのホームドアが連動してしまうと考えられます。

この対策として、ホームドアの運転士用開閉操作盤には「半自動」というボタンがありました。半自動モードにしている間は車両ドア開閉検知を無効化し、ホームドア全開状態を維持できるのだと思われます。ただし、新型コロナウィルス感染拡大により車内換気の必要性が高まったことから、現在は半自動ドア扱いを行っていないようです。

3 おわりに

2022/11/03 公園東口駅にて
以前は全駅に設置されていた固定柵

2022年11月末時点で残る未設置駅は彩都線の公園東口駅のみとなり、今年度中に本線・彩都線全18駅への整備が完了する見込みです。また、2029年に延伸予定の門真市駅から瓜生堂駅(仮称)の区間にも当初からホームドアが整備されるものと思われます。本体や開閉方式の仕様はどうなるでしょうか。

出典・参考文献

脚注

References
1 東京モノレールや沖縄のゆいレールも手動運転でホームドアを導入している。
2 他社ではホームドア設置に伴い車番表記を見えやすい位置に追加した例もある。大阪モノレールでも新型車両3000系の車番表記は車端部の幕板に変更された。
3 同駅から分岐する彩都線の列車は乗り換えの利便性を図るため左右両側のドアを開けるのに対し、本線の列車は方面別のドアのみを開ける。

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