福岡市地下鉄 七隈線のホームドア:2023年延伸区間のタイプ(櫛田神社前駅・博多駅)
タイプ | 腰高式 |
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メーカー | 日本信号 |
開閉方式 | トランスポンダ式連携 |
停止位置許容範囲 | 不明(ATO) |
開口部幅 | 2,100mm |
非常脱出ドア | なし |
支障物検知センサ | 3Dセンサ |
2023年3月27日、福岡市地下鉄七隈線の天神南駅~博多駅間が延伸開業しました。延伸区間に設けられた新駅の櫛田神社前駅と博多駅にも当初からホームドアが設置されていますが、2005年開業区間(橋本駅~天神南駅)とは異なるメーカー・デザインのタイプが採用されました。
目次
1 ホームドアの仕様
ホームドアのタイプは2005年開業区間と同じく腰高式です。一方、メーカーは2005年開業区間が三菱電機だったのに対して、2023年延伸区間では日本信号製が採用されました。
2005年開業区間のタイプ(以下:2005年タイプ)は扉部分・筐体部分ともに不透明ガラスを多用した構造が特徴的でしたが、2023年延伸区間のタイプ(以下:2023年タイプ)は他路線の日本信号製ホームドアとほぼ変わらない標準的な構造です。しかしながら、扉部分の透過ガラスを不透明とすることで2005年タイプのイメージに近づけているのが分かります。
2005年タイプと同じく筐体は左右の扉ごとに分割された構造で、扉は互い違いではなく一直線上に収納されます。非常脱出ドアは設けられていません。
各開口の左右に記された号車・ドア番号などのフォーマットも2005年タイプと同じです。
各開口の線路側に設けられている支障物検知センサは、2005年タイプが2点の光電センサだったのに対して、2023年タイプは3Dセンサとなり安全性が向上しました。非常開スイッチは2005年タイプが左右に1つずつだったのに対して、2023年タイプは片側のみに設けられています。
七隈線の車両には乗務員扉がないため[1]乗務員は客用扉から出入りする。、2005年タイプはホームドア側に乗務員扉および乗務員出入りスペース用の筐体セットバックを設けていませんでした。しかし、延伸区間のうち博多駅の橋本方に限っては乗務員扉・筐体セットバックが設けられています。
2 ホームドアの開閉方式
七隈線のホームドア開閉方式は、トランスポンダを用いた情報伝送により車両ドアと同期するシステムが採用されています。1号車(橋本方先頭車車)の床下に設置されたATO車上子と線路上に設置されたATO地上子がピッタリ重なることで情報伝送が可能になります。ドア開閉もすべて自動運転システムによって行われているため、乗務員によるドア開閉操作は必要ありません。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
2005年タイプとの違いとして、停止位置前方に設けられた運転士向けホームドア状態表示灯が長方形に拡大されたことで見やすくなりました。ホームドアの開閉状態を示すイラスト風の表示も、扉部分の透過ガラスを再現するこだわりが追加されています。各種表示灯の詳細についても上記リンクの記事をご覧ください。
3 おわりに
以上のように、他路線のホームドアにはない近未来的なデザインだった2005年タイプと比べて、2023年タイプはメーカー標準のベーシックな構造・デザインとなりました。それでもガラスを半透明としたことで、どことなく “七隈線らしさ” を受け継いでいるように感じるのが興味深いポイントです。
出典・参考文献
脚注
↑1 | 乗務員は客用扉から出入りする。 |
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