福岡市地下鉄 空港線・箱崎線のホームドア:箱崎線のタイプ

タイプ 腰高式
メーカー 三菱電機
開閉方式 トランスポンダ式連携
停止位置許容範囲 【推定】±500mm(ATO)
開口部幅 2,100mm
非常脱出ドア なし
支障物検知センサ 光電センサ

福岡市地下鉄の箱崎線では、先にホームドアが全駅整備された空港線に続いて2005年ごろからホームドアの整備が始まりました。そして2006年1月に全7駅での整備が完了し、これによって福岡市地下鉄全路線のホームドア全駅整備が完了しました。

空港線とは異なりJR筑肥線との直通運転を行っていない関係で、ホームドアの仕様にも違いがあります。

1 ホームドアの仕様

ホームドアのメーカーは空港線タイプと同じく三菱電機で、透過ガラスを取り入れた扉部分などのデザイン面は空港線タイプと揃えられています。

一方、空港線タイプとの最大の違いは開口幅です。空港線はJR九州の筑肥線と直通運転を行っており、かつてはATO装置(自動列車運転装置)を搭載していないJR103系が乗り入れていた関係で、開口幅を2,600mmとして停止許容範囲を広げていました。それに対して箱崎線はJR線との直通運転を行っておらず、すべての列車がATO運転に対応した地下鉄車で運行されるため、開口幅を2,100mmに狭めています

扉は一直線上に収納される
ホーム側から見た車両ドア間の筐体
ホーム側から見た車両連結部の筐体
線路側から見た車両ドア間の筐体
線路側から見た車両連結部の筐体

空港線タイプは扉を互い違いに収納する構造ですが、箱崎線タイプは開口幅が狭いため一直線上に収納する構造としており、筐体の厚みも抑えられています。一方、全開状態でも50mmほど引き残しがある点は空港線タイプと同様です。

各開口の線路側には、支障物検知用の光電センサが2点、非常開スイッチが左右に1つずつ設けられています。これらも空港線タイプと同様です。

上:中間車どうしの車両連結部筐体
下:先頭車と中間車の車両連結部筐体(左が先頭車)
先頭車ドア位置の違いにより長さが異なる

同線で用いられる交通局1000系・2000系[1]2024年秋デビュー予定の4000系も含む。の先頭車は、乗務員室スペースを広く確保した分だけ客用ドアが後部側に約200mmオフセットされています。そのためホームドアも交通局車のドア位置に準じて配置されており、そのため先頭車と中間車の車両連結部筐体は少し短くなっています。

一方、JR車は先頭車・中間車ともにドア位置が変わらず、空港線タイプはJR車のドア位置に準じています

斜めに配置されたホーム先端の筐体

ホーム最前部・最後部の筐体は乗務員出入りスペース確保のため斜めに配置されています。この部分の線路側には空港線と同型の乗務員操作盤が設けられていますが、車両ドアの開閉操作と同期するシステムなので通常は使用されません。

2 ホームドアの開閉方式

空港線・箱崎線のホームドア開閉方式は、トランスポンダを用いた情報伝送により車両ドアの開閉操作と同期するシステムが採用されています。車両床下に設置された車上子と線路上に設置された地上子がピッタリ重なって電磁的に結合することで情報伝送が可能になります。

詳しくは空港線タイプの記事をご覧ください。

3 おわりに

以上のように、箱崎線と空港線のホームドアは一見すると同じように見えますが、JR車の乗り入れを考慮しているか否かによって様々な違いがあります。特に箱崎線タイプの先頭車部分は交通局車のドア位置に特化した構造なので、JR車の乗り入れは物理的に困難と言えるでしょう。

出典・参考文献

脚注

References
1 2024年秋デビュー予定の4000系も含む。

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