福岡市地下鉄 七隈線のホームドア:2005年開業区間のタイプ(橋本駅~天神南駅)

タイプ 腰高式
メーカー 三菱電機
開閉方式 トランスポンダ式連携
停止位置許容範囲 不明(ATO)
開口部幅 2,100mm
非常脱出ドア なし
支障物検知センサ 光電センサ

2005年2月3日に開業した福岡市地下鉄七隈線(橋本駅~天神南駅)は、地下鉄路線としては初の全自動運転システムが採用され、将来的には運転士が乗務しない「添乗員付きドライバレス運転」への移行も視野に入れられています。そのための安全対策として、開業当初から全駅にホームドアが設置されました。

1 ホームドアの仕様

ホームドアのタイプは一般的な腰高式で、メーカーは三菱電機です。

七隈線開業とほぼ同時期に整備された空港線・箱崎線のホームドアも同メーカー製ですが、デザインは大きく異なるものになりました。最大の特徴は、扉部分・筐体部分ともに不透明のガラスを大きく取り入れている点で、強度と破壊時の飛散防止を考え強化合わせガラスが採用されています。

筐体の断面形状
車両ドア間の筐体
車両連結部の筐体

筐体は左右の扉ごとに分割された構造で、扉は互い違いではなく一直線上に収納されます。

各開口の左右には号車・ドア番号などが記されています。2022年にデビューした3000A系は優先スペースが増設されたことから、その旨を案内するステッカーが上から貼られています。

支障物検知センサと非常開ボタン

各開口の線路側には空港線・箱崎線のホームドアと同じく、支障物検知用の光電センサが2点、非常開スイッチが開口の左右に1つずつ設けられています。

なお、七隈線の車両には乗務員扉がないため[1]乗務員は客用扉から出入りする。、ホームドア側にも乗務員扉および乗務員出入りスペース用の筐体セットバックは設けられていません。

2 ホームドアの開閉方式

七隈線のホームドア開閉方式は、トランスポンダを用いた情報伝送により車両ドアと同期するシステムが採用されています。1号車(橋本方先頭車)の床下に設置されたATO車上子と線路上に設置されたATO地上子がピッタリ重なることで情報伝送が可能になります。ドア開閉もすべて自動運転システムによって行われているため、乗務員によるドア開閉操作は必要ありません

右:停止位置直下に設置されている有電源地上子
左:停止位置までの距離情報を補正する無電源地上子
※写真は2023年延伸区間の博多駅で撮影

同線は鉄輪式リニアモーター方式を採用しており、左右レール間の中央にはリアクションプレートが敷設されているため、地上子・車上子は設置場所は海側に寄せられています。

運転士向けホームドア状態表示灯

停止位置前方のホームドア線路側には、空港線・箱崎線と同じくイラスト風の表示でホームドア開閉状態を伝達する表示灯が設けられています。

表示灯の表示推移は以下の通りです。

  1. 列車がホームトラックに進入するとホームドア閉扉状態のイラストが表示
  2. 列車が停止許容範囲内に停止すると「〇」が点灯
  3. ドア開操作でホームドア開扉動作中→開扉状態のイラストが表示
  4. ドア閉操作でホームドア閉扉動作中→閉扉状態のイラストが表示
  5. 列車が起動すると「〇」が消灯
  6. 列車がホームトラックから離れると全て消灯

細かい違いとして、空港線・箱崎線は列車が停止許容範囲内に在線中「○」が点灯していた(=動いている間も点灯)のに対して、七隈線は完全停止している間のみ点灯していたように見えました。

ITVモニタの左右に表示灯が設けられている

運転士がホーム上を監視するITVモニタ付近に設けられた各種表示灯も空港線・箱崎線と同じ仕様です。左側の「✕」ランプはホームドアの支障物検知センサが1か所でも反応している間は点灯し、右側の「○」ランプはホームドア全閉状態かつ出発進路が開通している際に点灯します。

3 おわりに

不透明ガラスを多用したホームドアのデザインは現代でも珍しく、近未来的で明るい駅空間を演出する一つの要素にもなっていると感じます。

橋本駅~天神南駅間の開業から18年後、2023年3月27日には天神南駅~博多駅間が延伸開業しました、新駅の櫛田神社前駅と博多駅にも当初からホームドアが設置されていますが、2005年開業区間とは異なるメーカー・デザインのタイプが採用されました。

出典・参考文献

脚注

References
1 乗務員は客用扉から出入りする。

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