JR西日本のホームドア:京都駅2・5番のりば 昇降式ホーム柵設置後の連結・切り離し作業

JR西日本のホームドア:TOPページ

JR西日本の京都駅では、2022年3月6日に2番のりば(米原・近江今津方面)、2022年10月19日に5番のりば(大阪・神戸方面)にて昇降式ホーム柵が稼働開始されました。これらのホームは定期列車で連結・切り離し作業を行うホームにおける初の昇降式ホーム柵設置例となっています。

1 2番のりば分割時の取り扱い

まずは2番のりばで土休日1回のみ見られる切り離し作業について見ていきます。

切り離しが行われるのは9時14分着→16分発の3422M 新快速 近江今津行きです。12両編成のうち京都止まりの後部4両を分割するという運用で、12両編成の新快速は原則として上り方に4両・下り方に8両を連結しているところ、それを逆に組成しているのが3422Mの最も珍しいポイントです。

(1)到着→ホーム柵分割操作盤を操作

3422Mが2番のりばに入線・停止すると、昇降式ホーム柵は通常通り12両分が自動的に上昇します。ここで係員は、切り離し作業の開始にあたって「移動禁止合図器[1]ホーム上屋に設置されている表示器。移動禁止を合図するときは赤色灯が、移動禁止を解除したときは白色灯が点灯する。」を点灯させると同時に「ホーム柵分割操作盤」のスイッチを押します。これによりホーム柵もシステム上は前8両と後4両が切り離されて、別々に操作できるようになるのだと思われます。

(2)後4両ドア閉扉

JR西日本では当駅止まり列車の閉扉操作を運転士が担当するため、この場合も後4両の入換を担当する運転士が後4両の車両ドアを閉扉します。続けてホーム柵の「閉」スイッチを押すと、ホーム柵は前8両が開いたまま後4両分のみが下降しました。

(3)前8両発車

同時並行で前8両の乗降扱いも終了し、通常通りホーム柵→車両ドアの順に閉扉操作を行って発車します。ホーム柵の開閉状態を示す「開閉表示灯」のうち、切り離しを行っている8-9号車連結部近くにある表示灯は後4両側が閉まった時点で「×」から「○」に変わっていましたが、前8両の運転士が見ているホーム先端の表示灯がどのように表示されていたかは確認できませんでした。

上:移動禁止表示スイッチ
下:ホーム柵分割操作盤
後4両の閉扉時に後方を確認するための専用ITVモニタが設けられている
後4両分を閉めても前8両分は開いたまま
前8両は通常どおりの手順で出発

2 5番のりば併結時の取り扱い

続いて5番のりばで平日1回のみ見られる連結作業について見ていきます。

連結が行われるのは9時54分着→10時0分発の3433M 新快速 姫路行きです。湖西線永原駅を8両編成で出発し、京都駅で後部に4両を増結して12両編成になるという運用で、ホーム柵稼働直前の今年10月8日に実施されたダイヤ修正でもこの運用は変更されませんでした。

(1)前8両到着→後4両連結

3433Mは通常の8両停止位置目標ではなく「併」停目(12両と同じ位置)に停止しますが、ホーム柵は編成両数を検知しているため8両分が自動的に上昇します。

続けて引き上げ線から増結車4両が入線し、8両の後部に連結されます。従来、増結車の入換誘導を担当する係員はホームに降りて連結の手旗合図を行っていたようですが、ホーム柵設置後はそのまま乗務員室内で合図を出すようになりました。

(2)ホーム柵併結操作盤を操作

5番のりばには移動禁止表示スイッチと隣接して「ホーム柵併結操作盤」が設けられており、2番のりばの分割時とは逆に、作業終了後の移動禁止を解除するタイミングでスイッチを押していました。これによりシステムは在線中の列車を12両編成と認識しなおして、後4両側も開扉できるようになるのだと思われます。

(3)後4両ドア開扉→発車

連結作業中、増結車の最後部にはすでに当駅から乗務する車掌が乗り込んでおり、連結作業終了を知らせる合図を確認したらホーム柵→車両ドアの順で開扉操作を行います。出発時は通常通りで、車掌がホーム柵の閉扉操作を行うと12両分が一斉に下降します。

前8両の到着時は8両分のホーム柵が自動上昇
連結の手旗合図は乗務員室内で行う
ホーム柵併結操作盤
最後部の車掌に連結作業終了を伝える様子

3 おわりに

新快速のうち京都駅での連結は平日3433Mただ1本のみ、切り離しは何本かあるものの2番のりばに発着するのは土休日3422Mのみです[2]土休日3422Mには平日2本・土休日1本設定があり、いずれも0番のりばに発着。。なので、ホーム柵設置を前に発着のりばの変更や連結・切り離し自体の廃止が行われてもおかしくないと思っていましたが、わざわざ専用の機器を設けてまで対応していました。

一見非効率なようにも思えますが、もっと日常的に連結・切り離しを行う駅でも将来的にホームドアが設置される日は来るでしょうから、それに向けた “実証試験” のような意味合いもあるのかもしれません。

ちなみに、ホームドア設置駅における乗降扱い中の切り離し作業は京浜急行電鉄の京急川崎駅で、連結作業は阪急電鉄の神戸三宮駅で先に実現していましたが、前者は昨年3月のダイヤ改正で設定が無くなり、後者も今年12月17日のダイヤ改正で同駅における増結が廃止される予定です。

出典・参考文献

脚注

References
1 ホーム上屋に設置されている表示器。移動禁止を合図するときは赤色灯が、移動禁止を解除したときは白色灯が点灯する。
2 土休日3422Mには平日2本・土休日1本設定があり、いずれも0番のりばに発着。

コメントする