東武鉄道 東武アーバンパークラインのホームドア:船橋駅・柏駅のタイプ

タイプ 腰高式
メーカー 三菱電機
開閉方式 開扉 自動(定位置停止検知・両数検知)
閉扉 車掌手動操作
停止位置許容範囲 ±750mm(TASCなし)
開口部幅 基本 【推定】2,800mm
最大開口部 【推定】3,100mm
非常脱出ドア なし
支障物検知センサ 3Dセンサ

東武鉄道野田線(東武アーバンパークライン)の船橋駅では、2013年度末に同線初のホームドアが稼働開始されました。東武初のホームドア設置駅は2012年度の東上線和光市駅2・3番線ですが、これは東京メトロ有楽町線の整備事業として設置されたものなので、東武単独の駅としては船橋駅が最初のホームドア設置駅でした。

翌2014年度末には同線で乗降人員が最も多い柏駅でも同型のホームドアが整備されています。各ホームの稼働開始日は以下の通りです。

  • 船橋駅:2014年3月22日
  • 柏駅1・2番線:2015年2月7日
  • 柏駅3・4番線:2015年3月14日

1 ホームドアの仕様

1.1 基本仕様

ホームドアのタイプは一般的な腰高式、メーカーは三菱電機です。設置当時の同線の列車はすべて6両編成4ドア車で運行されていたため、ホームドアもそれに特化した構造となっています。

TASC(定位置停止装置)は整備されていないため、基本開口幅を推定2,800mmとして停止許容範囲±750mmを確保しています。なお、同線で使用される各形式はそれぞれドア位置が多少異なるため、ずれが大きくなる箇所は開口幅を基本より200mm程度広げています[1]2~5号車は各号車1・4番ドアが約200mm広く、両先頭車は車種によるずれがさらに大きくなるため約300mmほど広くしている部分もある。

扉部分は同線のイメージカラーであるブルーに塗装され、大型のガラス透過部が設けられています。

戸袋スペースが少ないため扉は互い違いに収納される
ホーム側から見た車両ドア間の筐体
ホーム側から見た車両連結部の筐体
線路側から見た車両ドア間の筐体
線路側から見た車両連結部の筐体

各開口の片側には非常開ボタンと3Dセンサが設けられています。また、3Dセンサの上下と、開口部を挟んだ反対側には光電センサらしき小さい穴も2つあることから、支障物検知は2つの方式のセンサを併用しているのかもしれません。

進入方向の6両編成最後部
ホーム両端には乗務員用の開き戸もある
ホームドア開閉動作表示灯

ホーム最前部・最後部は乗務員出入りスペース確保のため筐体がホーム内側にセットバックされており、その周辺には乗務員操作盤や車掌向けの開閉動作表示器が設置されています。

なお、2項で後述する通り、両駅のホームドアは開扉のみ自動、閉扉は車掌による手動操作です。そのため、基本的に使用されない進入方向の最後部には簡易的なボタン式操作盤のみが設置されているのに対して、出発方向の最後部には操作がしやすいテープスイッチが併設されています(写真は2項に掲載)。

1.2 5両編成の導入に伴う改良

5両編成の新型車両80000系
ホーム内側にセットバックされた5両編成最前部・最後部の筐体
以前の基礎部分はモルタルで埋められている
前後の筐体も膨らみを持たせるように移設
筐体側面と床面に設けられた注意書き

前述の通り、ホームドア設置当時の一般列車はすべて6両編成で運行されていましたが、環境負荷低減や輸送力の適正化を目的として、2025年3月8日に運行を開始した新型車両80000系は5両編成とされました。さらに、将来的には既存車両を含めた全列車が5両編成に統一される見込みです。

これに伴い、2024年8月頃から12月頃にかけて、5両編成の最前部・最後部となる箇所のホームドア筐体を一時撤去し、乗務員出入りスペースを確保した位置に移設する工事が順次行われました。いずれもホームドア本体は再利用されているようですが、車両とホームドアの間への侵入を防ぐ部材が大型化されています。

新設された5両用の乗務員操作盤と乗務員乗降ボタン

筐体線路側には乗務員操作盤が新設されたほか、6両最後部と異なり乗務員出入り扉が無いことから、ホームドアが閉状態でも乗務員がホームに出入りできるように「乗務員乗降ボタン」が設けられています[2]隣接する1か所の開口部のみを開閉するものだと思われる。。また、別記事で紹介する制御システムにも5両編成を判別するためのセンサが追加されました。

2 ホームドアの開閉方式

船橋駅・柏駅のホームドア開閉方式は以下の通りです。

  • 開扉:自動(定位置停止検知・両数検知)
  • 閉扉:車掌手動操作

各種センサにより列車の定位置停止を検知することで、車両側と通信を行うことなくホームドアを自動開扉するシステムが当初から導入されました。現代では多くの路線で導入されている方式ですが、試験設置を除く常設のホームドアで車両と連携しない自動開扉を実現したのは船橋駅が全国初だったと思われます

システムの概要は別記事にまとめています。

先にホームドアを閉めるのが所定の取り扱い
横長い機器が閉扉操作用テープスイッチ
その右側がボタン式操作盤

一方、閉扉は車掌による手動操作ですが、他路線の一般的な取り扱いとは逆でホームドア→車両ドアの順に操作するのが特徴です。前述の通り、出発方向の最後部には停止位置が多少ずれていても操作しやすい「テープスイッチ」が併設されており、通常はこちらを使用します。

運転士向け開閉表示灯(下)

ホームドアが開いたまま列車が出発してしまうのを防ぐため、出発信号機下方には運転士に対してホームドア開閉状態を伝達する表示灯が設けられています。表示内容は以下の通りです。

  • ホームドア開状態→[×]が点灯
  • ホームドア閉状態→[]が点灯

3 特殊な列車への対応

3.1 特急「アーバンパークライナー」(2024年3月廃止)

柏駅2番線に停車する特急「アーバンパークライナー」

2020年3月16日のダイヤ改正で、平日夜間に500系「リバティ」3両編成を使用して運行される特急「アーバンパークライナー」が柏駅への乗り入れを開始しました。しかしリバティのドア位置はホームドアと合わないことから、一部号車のドアのみを開ける取り扱いとして、同駅2番線のみリバティに対応するため各種機器が増設されました。

「アーバンパークライナー」発着時の取り扱いについては別記事にまとめています。なお、同列車は2024年3月16日ダイヤ改正で廃止されました。

3.2 634系「スカイツリートレイン」

2-3号車連結部筐体に設けられた634系用テープスイッチ
同じ筐体には専用の乗務員操作盤も内蔵されている
上:入線時の車掌向け表示灯
下:出発時の運転士向け表示灯

634系「スカイツリートレイン」を使用した団体臨時列車が同線に乗り入れることがあります。634系はもともと6050系から改造された車両でドア位置も一般型車両と異なりますが、片側2か所のドアのうち1か所は閉鎖、さらに4両編成のうち2・4号車のドアは常時締め切りとしているので、ホームドア設置駅では1・3号車のドアを開口部と合わせて停車します。

詳しい開閉取り扱いは直接確認できていないので分かりませんが、柏駅は3番線、船橋駅は2番線に限り634系専用の駅係員操作盤およびテープスイッチ・表示灯類が設けられていました。

4 おわりに

2015年度からは東武東上線、2020年度からは東武スカイツリーラインでもホームドア設置が始まった一方で、東武アーバンパークラインの設置駅は今のところ船橋駅・柏駅だけに留まっており、他駅では2023年度からホームドアよりも安価な固定柵が順次設置されています。

前述の通り、将来的に同線の一般列車は5両編成に統一される予定です。6両編成が廃止された後、用途を失う1両分のホームドアはどうなるのでしょうか。

出典・参考文献

脚注

References
1 2~5号車は各号車1・4番ドアが約200mm広く、両先頭車は車種によるずれがさらに大きくなるため約300mmほど広くしている部分もある。
2 隣接する1か所の開口部のみを開閉するものだと思われる。

コメントする