東武鉄道 東武スカイツリーラインのホームドア:越谷駅2・3番線などのタイプ(緩行線のみ対応)

タイプ 腰高式
メーカー 日本信号
開閉方式 トランスポンダ式連携
停止位置許容範囲 ±550mm(TASCあり)
開口部幅 【推定】2,400mm
非常脱出ドア 開き戸式(各号車連結部)
支障物検知センサ 3Dセンサ

東武鉄道の東武スカイツリーライン[1]伊勢崎線のうち浅草駅・押上駅~東武動物公園駅間の愛称。では、2020年3月までに日比谷線直通用の18m3ドア車・5ドア車が引退し、特急列車を除く一般列車が20m4ドア車に統一されたことでホームドア整備が始まりました。

初期のホームドアは急行線ホームと緩行線ホームのどちらも開口幅の広いタイプでしたが、2022年11月7日に稼働開始された越谷駅緩行線ホームからは、TASCの使用を前提として開口幅を狭めた緩行線専用の新タイプが順次設置されています。

1 ホームドアの仕様

北千住駅~北越谷駅間の複々線区間は、特急・急行列車などが走る外側の急行線と、東京メトロ日比谷線直通の普通列車が走る内側の緩行線に分かれいます。急行線ホームと緩行線ホームでは発着する車種・編成両数などが異なるため、2020~2022年上期までに設置された各駅のホームドアは[2]北越谷駅・新越谷駅・竹ノ塚駅・北千住駅(3階ホーム)の4駅。ホームによって一部仕様が異なっていました。

しかし、基本開口幅は両ホームともに共通の推定2.800mmで、これはTASC(定位置停止装置)が整備されていない急行線で停止許容範囲±750mmを確保するための幅です。一方、TASCが整備済みの緩行線は停止許容範囲が±550mmなので、開口幅を持て余している状態でした。

一般的にホームドアは開口幅を狭めたほうが低コストになると言われています。そのためなのか、2022年下期からは緩行線専用の本タイプ(以下:緩行線タイプ)が登場し、開口幅が推定2,400mmに適正化されました。一方、デザイン面は従来のタイプ(以下:急行線タイプ)と変わっていません。

車両連結部に収納される扉は断面形状が異なる
ホーム側から見た車両ドア間の筐体
ホーム側から見た車両連結部の筐体
線路側から見た車両ドア間の筐体
線路側から見た車両連結部の筐体

開口幅は狭くなったものの、左右の扉を互い違いに収める構造は急行線タイプと変わりません。また、車両連結部に非常脱出ドアを設けており、その部分に収納される扉は断面形状が異なる点なども同じです。一方で、支障物検知センサ・非常開ボタンの突起が小型化されているなどの細かい違いはあります。

2 ホームドアの開閉方式

車掌向け乗務員操作盤と表示灯

東武スカイツリーラインの緩行線では、走行するすべての車両がホームドア連携に対応しているため、トランスポンダを用いた送受信送によって車両ドアとホームドアの開閉を同期するシステムが採用されています。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

3 おわりに

対応両数や開閉システムの違いに加え、緩行線には緩行線専用の本タイプが設置されたことで、急行線との分離はより恒久的になったと言えそうです。2022年4月に発表された中期的な事業計画には緩行線区間でのワンマン運転計画が含まれていることからも、ますます実質の別路線という位置づけになっていくのでしょう。

出典・参考文献

脚注

References
1 伊勢崎線のうち浅草駅・押上駅~東武動物公園駅間の愛称。
2 北越谷駅・新越谷駅・竹ノ塚駅・北千住駅(3階ホーム)の4駅。

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