京急電鉄のホームドア:京急蒲田駅

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京急本線と空港線の分岐駅である京急蒲田駅は、2019年度に2・5番線以外の4ホームでホームドアが整備されました。京急線内のホームドア設置駅は同駅が3駅目で、京急本線の駅なおかつ地上駅としては初の設置です。なお、待避線の2・5番線には固定柵が設置されました。

1 ホームドアの概要

1.1 1・4番線(空港線ホーム)

タイプ 腰高式
メーカー ナブテスコ
開閉方式 自動(QRコード式連動)
停止位置許容範囲 不明(TASCなし)
開口部幅 【推定】3,200mm
寸法 筐体 【推定】高さ1.3m×厚さ0.2m
【推定】高さ1.2m
非常脱出口 開き戸式(各号車連結部)
安全装置 居残り検知 3Dセンサ
1・4番線の乗車整列位置。青色が羽田空港行き、赤色が品川方面(4番線)・横浜方面(1番線)。

空港線ホームの1・4番線では2018年3月上旬にホームドアが設置され、4月21日に稼働が開始されました。外観や基本寸法は、同年2月に稼働が開始された羽田空港国内線ターミナル駅(現:羽田空港第1・第2ターミナル駅)のものと特に変化は見られません。

1番線には品川方面からの羽田空港行きと羽田空港からの横浜方面行きが、4番線には横浜方面からの羽田空港行きと羽田空港からの品川方面行きが発着するため、開口部の左右で方面別に乗車整列位置が分けられています[1]ホームドア設置前は方面別に停止位置を1m程度ずらすことで乗車位置が分けられていました。

1.2 3・6番線(京急本線ホーム)

タイプ 腰高式
メーカー ナブテスコ
開閉方式 自動(QRコード式連動)
停止位置許容範囲 不明(TASCなし)
開口部幅 一般部 【推定】3,200mm
拡幅開口部 【推定】3,400mm
寸法 筐体 【推定】高さ1.3m×厚さ0.2m
【推定】高さ1.2m
非常脱出口 開き戸式(各号車連結部)
安全装置 居残り検知 3Dセンサ
3・6番線の一部に設けられた拡幅開口。

1・4番線のホームドア稼働開始から約2ヶ月後の6月14日、京急唯一の4ドア車でホームドアに対応できなかった800形が営業運転から引退しました。そしてこの時を待っていたかのように引退翌日の15日深夜から順次ホームドアが搬入され[2]15日に3番線で、22日に6番線で搬入・設置が実施。、両ホームとも8月9日に稼働が開始されました。

外観は1・4番線のものと変わらないように見えますが、片側の扉のみ僅かに幅が広い開口部が存在しています。幅が広い扉はガラスが二分割されてピラーが入っているため容易に識別できますが、開口幅の差は通常の開口部(推定3,200mm)と点字ブロック一個分にも満たない程度のため、見た目ではほとんど分かりません。

3・6番線ともに、1-4号車までは通常の開口幅ですが、5号車以降は3番ドアのみが拡幅開口で、その拡幅分は車両連結部にあたる筐体の幅を狭めることで相殺されています。しかし9号車だけは1番ドアが拡幅開口となり、拡幅分だけ2・3番ドア自体も僅かに10号車側へずれているように見えました。

拡幅開口が設けられた理由として考えられるのは、先頭車が僅かに長い2100形[3]先頭車の全長は18,170mmで他形式より170mm長い。の存在です。2100形が他形式と連結して12両編成を組むとドア位置のずれが大きくなってしまい、通常の開口幅では収まらないためではないかと推測しています。

2 ホームドアの開閉方式

同駅のホームドアは、羽田空港国際線ターミナル駅(現:羽田空港第3ターミナル駅)および羽田空港国内線ターミナル駅(現:羽田空港第1・第2ターミナル駅)に次いでQRコードを用いたホームドア制御システムが導入されました。

システムの概要は別記事で紹介しています。

開業当初の羽田空港国際線ターミナル駅では車両に取り付けられたIDタグを読み取る装置によって2ドア車の2100形を判別していました。しかし、12両編成が運行される京急本線では2100形と他形式の連結も存在するため、各号車ごとに対応する箇所のみのホームドアを制御できるQRコード式制御システムの特長が大いに生かされています。

左:定位置停止検知センサ
右:QRコード読み取りカメラユニット
カメラに増設されたレンズフードのような部品

これまでの地下駅と違い天井が高い駅構造のため、各種機器を吊している支柱はかなり強固な見た目です。QRコード読み取りカメラに取り付けられているレンズフードのような部品は、1・4番線の稼働開始直前に増設されたそうで、初の地上駅での導入のため自然光もしくは雨が何らかの悪影響を与えることへの対策でしょうか。

3 号車ごとのホームドアタイプ・各種機器の配置

3.1 1・4番線(空港線ホーム)

QRコード読み取りカメラ・定位置停止検知センサの配置は1・4番線ともに同じで、QRコード読み取りカメラは羽田空港駅と変わらず1ホームにつき4箇所設置されています。

3.2 3・6番線(京急本線ホーム)

3・6番線については前述した号車ごとの拡幅開口も図に示しました。定位置停止検知センサは変わらず1箇所のみですが、QRコード読み取りカメラは6箇所に増えています。

4 車掌用ITVモニタの増設

6番線の4・6両編成最後部および4番線下り方面の各編成両数に対しての車掌用ITVモニタは元々ありませんでしたが、ホームドア設置に併せて新設されました。他の箇所に従来より設けられていたものとは異なり、液晶モニタがむき出しのかなり簡素な見た目となっています。

5 おわりに

3・6番線の一部に出現した不自然な拡幅開口ですが、その後の設置駅では開口幅が異なるだけでなく一部号車のみ二重引き戸タイプが採用されるという新たな形態差が生まれました。各駅・各ホームごとの細かな違いを探してみるのも面白いのではないでしょうか。

出典・参考文献

脚注

References
1 ホームドア設置前は方面別に停止位置を1m程度ずらすことで乗車位置が分けられていました。
2 15日に3番線で、22日に6番線で搬入・設置が実施。
3 先頭車の全長は18,170mmで他形式より170mm長い。

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