京急電鉄のホームドア:京急蒲田駅3・6番線の仕様

タイプ 腰高式
メーカー ナブテスコ
開閉方式 自動(QRコード式連動)
停止位置許容範囲 不明(TASCなし)
開口部幅 一般部 【推定】3,200mm
拡幅開口部 【推定】3,400mm
非常脱出ドア 開き戸式(各号車連結部)
支障物検知センサ 3Dセンサ

京急本線と空港線の分岐駅である京急蒲田駅では、2019年4月21日に空港線ホーム1・4番線でホームドアの稼働が開始されました。一方の京急本線ホーム3・6番線は[1]待避線の2・5番線には同年度中に固定柵を設置。、京急唯一の4ドア車でホームドアに対応できなかった800形の引退を待ってから順次ホームドアが搬入され[2]3番線は800形引退翌日の15日深夜、6番線は22日に搬入・設置。、8月9日に稼働が開始されました。京急線内のホームドア設置駅は同駅が3駅目です。

基本は羽田空港第1・第2ターミナル駅と同タイプですが、京急本線の12両編成対応ホームとしては初の設置となた3・6番線は一部仕様が異なっています。

1 ホームドアの仕様

1.1 基本仕様

空港線ホーム4番線のホームドア

1・4番線の全体および3・6番線の大半の箇所は、前年度に整備された羽田空港国内線ターミナル駅(現:羽田空港第1・第2ターミナル駅)と特に変わっておらず、開口幅は推定3,200mmです。基本仕様については別記事をご覧ください。

1.2 3・6番線に設けられた拡幅開口

3・6番線の一部に設けられた拡幅開口
右側の扉が少しだけ広い

3・6番線のホームドアをよく見てみると、片側の扉のみ僅かに幅が広い開口部が存在しています。幅が広い扉はガラスが二分割されてピラーが入っているため判別こそ容易ですが、開口幅の差は点字ブロック一個分にも満たない程度のため見た目だとほぼ分かりません。

拡幅開口が設けられた理由として考えられるのは、京急の代表的車両である2100形の存在です。2100形の先頭車は他形式より170mm長く、他形式と連結して12両編成を組むとドア位置のずれが大きくなります。これにより通常の開口幅ではずれが収まりきらない箇所が生じるため開口幅を広げたのではないでしょうか。

この拡幅開口と、後に他駅で採用された二重引き戸タイプについては別記事で詳しく紹介しています。

2 ホームドアの開閉方式

京急電鉄のホームドア開閉方式は、車両側の改修を必要とせずに編成両数・ドア数の判別およびホームドア開閉を自動化できるQRコードを用いたホームドア制御システムが採用されています。

システムの概要は別記事で紹介しています。

左:定位置停止検知センサ
右:QRコード読み取りカメラユニット
※写真は空港線ホームで撮影
カメラに増設されたレンズフードのような部品
※写真は空港線ホームで撮影

これまでの地下駅と違い天井が高い駅構造のため、各種機器を吊している支柱はかなり強固な見た目です。QRコード読み取りカメラに取り付けられているレンズフードのような部品は、1・4番線の稼働開始直前に増設されたようで、同駅3・6番線を含む以降の設置駅では標準装備となりました。自然光もしくは雨が何らかの悪影響を与えることへの対策でしょうか。

3 号車ごとのホームドアタイプ・各種機器の配置

3・6番線における号車ごとの拡幅開口の配置、および各編成両数の停止位置とQRコード読み取りカメラ・定位置停止検知センサの位置関係を表した図です。有効長が8両分のホームではQRコード読み取りカメラが4箇所に設置されていましたが、12両対応ホームでは6箇所に増えました。 定位置停止検知センサは8両対応ホームと変わらず特定の1箇所のみです。

4 おわりに

3・6番線の一部に出現した不自然な拡幅開口ですが、次に設置された横浜駅では一部号車のみ二重引き戸タイプが採用されるという新たな形態差が生まれました。そしてその後も駅・ホームごとの細かな違いが次々と登場していくことになります。

出典・参考文献

脚注

References
1 待避線の2・5番線には同年度中に固定柵を設置。
2 3番線は800形引退翌日の15日深夜、6番線は22日に搬入・設置。

コメントする