阪神電気鉄道のホームドア:大阪梅田駅1番線のタイプ
阪神電気鉄道の大阪梅田駅では、2015年から駅空間の拡大やバリアフリー化などの大規模改良工事が進められています。その一環として全てのホームに可動式ホーム柵(以下:ホームドア)が設置予定で、1番線の移転に伴って2021年10月30日に使用開始された新ホームには当初からホームドアが整備されました。阪神のホームドア設置駅は前年度に整備された神戸三宮駅1・3番線に次いで2駅目です。
目次
1 ホームドアの仕様
タイプ | 腰高式(一部二重引き戸タイプ) | |
---|---|---|
メーカー | 京三製作所 | |
開閉方式 | 開扉 | 自動(定位置停止検知・両数検知) |
閉扉 | 車掌手動操作 | |
停止位置許容範囲 | 【推定】±550mm(TASCなし) | |
開口部幅 | 【推定】3,200mm | |
非常脱出ドア | 開き戸式(一部の車両連結部) | |
支障物検知センサ | 3Dセンサ |

神戸三宮駅のホームドアは二重引き戸式大開口タイプ(1番線の一部は通常タイプ)だったのに対して、大阪梅田駅は全ての号車が大開口ではない通常タイプで、停止許容範囲も少し狭くなりました。進入速度が低い終端駅のため許容範囲を狭めたのでしょうか。
ただし、神戸三宮寄り先端の開口部のみ片側が二重引き戸構造で、開口幅もやや広くなっていました。また、前から1両目のホームドア配置は全体的に2両目側に寄っており、これらは車種によるドア位置の違いを考慮したものだと思われます[1]阪神車は先頭車と中間車でドア位置が僅かに異なることや、山陽6000系は阪神車より車体長が長いことなど。。
原則このホームから4両編成の普通電車は発車しませんが、乗務員出入りスペース確保のため2-3両目連結部の筐体がホーム内側にセットバックされていたので対応はしているようです。
2 ホームドアの開閉方式
同駅のホームドア開閉方式は以下の通りです。
- 開扉:自動(定位置停止検知・両数検知)
- 閉扉:車掌手動操作
神戸三宮駅と同じく、各種センサが列車の定位置停止と編成両数を検知することで自動開扉し、閉扉は車掌が直接操作盤のボタンを押す方式です。


奥:定位置表示灯と開閉表示灯
異なる点は、ホームドアの開閉状態などを表示するLED表示灯が色のみで表示されるようになった点や[2]以前の神戸三宮駅では漢字一文字で「開」「閉」などと表示されていた。、車掌に旅客が乗降中であることを知らせる表示灯とチャイムが追加された点です。なお、これらの仕様は阪急のホームドアシステムと全く同じであり、現在は神戸三宮駅も同じ仕様に改修されました。
3 おわりに
神戸三宮駅1番線と3番線、大阪梅田駅1番線、そして2022年3月に阪神車とドア位置が異なる近鉄車にも対応できる「昇降ロープ式ホーム柵」が整備された神戸三宮駅2番線と、これまでに設置済みの4つのホームドア全てで形態が異なるのは趣味的に面白いところです。
大阪梅田駅改良工事は2023年度末に完成予定で、残る2~4番線もホーム移設・拡張などと平行してホームドア設置工事が実施されるものと思われます。