JR東日本 横浜線のホームドア:スリットフレームホームドア 東神奈川駅の仕様(従来型大開口タイプ組み合わせ)

タイプ 腰高式(一部二重引き戸タイプ)
メーカー JR東日本メカトロニクス・三菱電機
開閉方式 トランスポンダ式連携
停止位置許容範囲 ±350mm(TASCあり)
開口部幅 一般部 2,000mm
3号車1番ドア 3,330mm
非常脱出ドア 開き戸式(各号車連結部)
支障物検知センサ 3Dセンサ

JR京浜東北線と横浜線が合流する東神奈川駅では、2018年度に1・4番線(主に京浜東北線が使用)で従来型ホームドアが整備された一方、2・3番線(主に横浜線が使用)では2025年度に従来型よりも軽量な「スリットフレームホームドア」が整備されました。スリットフレームホームドアの採用は南武線の分倍河原駅・登戸駅(2番線)に続いて3駅目、京浜東北線および横浜線の駅としては初めての採用でした。

稼働開始日は以下の通りです。

  • 2番線:2025年8月7日
  • 3番線:2025年9月26日

同駅には京浜東北線の10両編成と横浜線の8両編成が発着し、一部の車両ドア位置が異なることから、当該箇所の前後に限り従来型の多段式大開口ホームドアを組み合わせて設置しているのが特徴です。

1 ホームドアの仕様

1.1 基本仕様

スリットフレームホームドアは、従来型ホームドアと同等の安全性を維持しつつ、扉部分や戸袋部分にスリット状の開口部を設けることで重量および風荷重の低減を図っています。また、本タイプより前に開発された「スマートホームドア」とは違い、従来型と構造や制御システムに互換性を持たせていることも特徴です。

当記事で紹介する3号車1番ドアとその前後を除いた箇所の基本仕様は従来と変わっていません。基本仕様については別記事をご覧ください。

1.2 3号車1番ドアの従来型大開口タイプ

E233系中間車と先頭車のドア位置の違い
※イメージ図は京浜東北線仕様の従来型ホームドア
3号車1番ドアの従来型大開口タイプ

近年のJR東日本が製造する一般型車両は乗務員室の奥行きが広く、その分だけ乗務員室直近のドア位置が中間車と比べて1m以上ずれています。そのため、京浜東北線・根岸線のうち横浜線が乗り入れる東神奈川駅~大船駅間では、10両編成と8両編成でドア位置がずれる箇所のみ幅3m超の多段式大開口タイプとした従来型ホームドアもしくはスマートホームドアが順次整備されています。

一方、スリットフレームホームドアは長尺や多段式の扉に対応していません。ですが、前述の通り従来型と互換性があり、JR東日本が2024年8月に発表したスリットフレームホームドア導入開始のプレスリリースにも “従来型との組合せによる大開口は可能” と記載がありました。東神奈川駅2・3番線ではその記載通り、3号車1番ドア(10両編成基準)のみ従来型の大開口タイプを採用することでドア位置の違いに対応したのです。

いびつなガラス透過部のサイズなど、筐体・扉の構造は同駅1・4番線を含む既設の従来型と特に変わっていないようですが、デザインは扉部分を白一色とした横浜線仕様となりました。大開口タイプの仕様については別記事をご覧ください。

左:スリットタイプ
右:従来型
左:従来型
右:スリットタイプ

ただし、同駅の仕様で最も特徴的なのは大開口部分ではなく、その両隣の開口部です。従来型の筐体に収納される片側の扉はガラスタイプなのに対して、もう片方の扉はスリットタイプのため、同じ開口部なのに左右で扉のタイプが異なるユニークな見た目となりました。

線路側から見た従来型部分
手前:二重引き戸を収納する従来型の筐体
奥:スリットタイプの筐体
左:スリットタイプ
右:従来型
戸先ゴムの形状を比較
左:従来型
右:スリットタイプ
下部高さが僅かに異なる?

2つの扉を見比べると、戸先ゴムの形状や下部高さに違いがあるのが分かります。それでも扉の基本的なフォルムが変わっていないため、統一感は思いのほか損なわれていないようにも感じます。

2 ホームドアの開閉方式

京浜東北線・根岸線および横浜線のホームドア開閉方式は、山手線と同じくトランスポンダ装置を用いた送受信により車両ドア側の開閉操作と連携するシステムが採用されています。列車が±350mmの停止許容範囲内に停止すると、1号車(大船方先頭車)に搭載された「ホームドア車上子」と線路側に設けられた「ホームドア地上子」がピッタリ重なって情報の送受信が可能になります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

なお、同駅1・4番線を含む東神奈川駅~大船駅間のホームドア既設駅では、10両編成と8両編成でホームドア車上子の位置を揃えるためか、1号車側を10両編成と揃えた停止位置に変更されました。一方、同駅2・3番線は以前と変わらず8号車側を10両編成の10号車と合わせており、代わりにホームドア地上子が10両用と8両用で別々に設けられています。

3 おわりに

横浜線の全駅および京浜東北・根岸線の東神奈川駅~大船駅間では、2025年度中のホームドア整備完了が予定されています。しかし、残りの未整備駅はすべてスマートホームドアが採用予定のため、スリットタイプと従来型大開口タイプを組み合わせたこの仕様は東神奈川駅が唯一となる見込みです。

一方、今後は特急型車両と一般型車両が混在する線区などでもホームドア整備が進むため、駅によってはさらなる大開口の必要性や開口レイアウトの複雑化が予想されます。こうした箇所ではスリットタイプと従来型大開口タイプを組み合わせた設置方法を標準としていくようですが、おそらく同駅よりも圧倒的にカオスな構造となるでしょう。

出典・参考文献

脚注

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