京急電鉄のホームドア:京急川崎駅切り離し作業時の取り扱い

2016年11月19日のダイヤ改正以降、土休日午前の快特泉岳寺行き4本は金沢文庫駅から京急川崎駅まで後部に4両を増結しています。そして京急川崎駅の上りホームでは2020年6月25日にホームドアが稼働開始されたことで、全国的にも珍しいホームドア設置駅で切り離し作業が行われる事例[1]名古屋鉄道の中部国際空港駅1番線で前例があるものの、連動して開閉するホームドアは日本初と思われる。となっています。 

1 新型コロナウイルスの影響

この増結は単に快特の混雑緩和という目的だけでなく、日中時間帯に品川駅~京急蒲田駅間を往復する普通列車、通称「蒲田ローカル」に使用する4両編成の送り込み運用でもありました。しかし、5月9日[2]ゴールデンウィーク期間の5月2日~6日も運休。から「蒲田ローカル」は新型コロナウイルス感染拡大に伴う利用者の減少などを理由に全便運休[3]平日は一部列車のみ運転が継続。となり、その送り込みとなる快特4本の増結も中止されました。

中止が続けばそのまま廃止になってしまうかとも思われましたが、6月6日に増結は再開されました。しかし「蒲田ローカル」の運休は継続のため、切り離された増結編成はすぐに折り返して車庫へ帰る運用となっています。

2 ホームドア稼働後の切り離し作業手順

ホームドア稼働開始後の切り離し作業は以下のような手順で行われていました。

切り離し位置では、作業を行う2人の運転主任と当駅から前8両に乗務する車掌が待機しています。列車が到着すると運転主任はホームドアが開くのを待ち、開いたら開口部とその外側を仕切る鉄製の扉を開けて車両連結部に入ります。ホームドアが開いてからでないと作業を開始できない分、若干のタイムロスとなっています。

車掌が増結編成のドアを閉めるとホームドアも後4両分だけが自動で閉まります。車両ドアの窓に貼付されているのがホームドア制御用QRコード。

その後は通常通り手際よく解結作業が進められ、作業が完了すると当駅まで乗務してきた増結編成最後部の車掌に対して運転主任がブザー合図を送り、それを確認した車掌が閉扉操作を行います。

同駅のQRコード式ホームドア制御システムは分割・併合運用に対応しており、増結編成だけの車両ドアが閉まったことを正しく認識し、前8両のホームドアは開けたまま後4両のホームドアを自動閉扉します。ただし、この時のホームドア閉扉動作は通常よりも若干タイムラグがあるように見えました。

続いて前8両の乗降が終了し車掌がドアを閉めると、そちら側のホームドアも追従して閉まります。

前8両が発車し正常に解結されたことを2人の運転主任が確認し、うち1人は切り離された増結編成の入換運転のため乗務員室に乗り込み、もう1人はホームドア筐体間に設けられた開き戸式の出入り口からホーム内側に戻ります。なお、列車到着時にこの出入り口を使わないのは、ホームドアが開状態では収納されている扉が出入り口を半分塞ぐ形になっているためだと思われます。

3 おわりに

以上のように、以前より多少の制約は生じたようですが、運転主任の伝統的な素早い解結作業とQRコード式制御システムによる柔軟な開閉制御がホームドア設置駅での切り離し運用を実現しています。

その後も運休が続いた「蒲田ローカル」は2021年3月27日ダイヤ改正で正式に廃止となりましたが、それでも快特の増結は継続されています。しかし現在の社会情勢を踏まえると、これもいずれは見直されてしまう可能性も十分に考えられます。

出典・参考文献

脚注

References
1 名古屋鉄道の中部国際空港駅1番線で前例があるものの、連動して開閉するホームドアは日本初と思われる。
2 ゴールデンウィーク期間の5月2日~6日も運休。
3 平日は一部列車のみ運転が継続。

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