神戸市営地下鉄 西神・山手線のホームドア:三宮駅のQRコード式制御システムが運用終了

2020年3月からQRコードを用いたホームドア制御システムが運用されてきた神戸市営地下鉄西神・山手線の三宮駅ですが、2022年3月中旬ごろ[1]交通局ホームページによると3月13日から。に三宮駅以外の各駅と同じ2Dセンサ式の地上完結型システムへと改修されました。これによりホームドアの開扉タイミングも変化しています。また、関西圏からはQRコード式ホームドアが一旦消滅したことにもなります。

1 システム変更 “前” の開閉動作

三宮駅ホームドアの当初の開閉方式は車掌による手動操作でしたが、これでは車掌の業務負担が大きく停車時間の増加にも繋がるため、都営地下鉄浅草線や京浜急行電鉄で実績のあるQRコードを用いた制御システムを導入することで開閉の全自動化を実現しました。

しかし、ホームドアが車両ドアよりかなり遅れて開き始めるという問題点がありました。これは車両ドア左右のQRコードが戸袋に隠れることで初めて車両ドア開扉と判断していたためだと思われ、ホームドアが開き始めるまでのタイムラグが大きいことから乗降時間の増大に繋がっていたそうです。

2 システム変更 “後” の開閉動作

こうした事情から、2021年度から整備が始まった三宮駅以外のホームドアには2Dセンサを用いて列車の定位置停止やドア開閉を直接測定する「地上完結型連携システム」が採用されています。この方式は列車が停止した時点でホームドアを自動開扉するため、ホームドアが車両ドアより先に開きます

そして三宮駅もQRコード式から他駅と同じ2Dセンサ式に変更されたことで、ホームドアが先に開き始めるようになりました。新設された各種センサの配置は他駅と大体同じで、「在線検知用センサ」は1・6号車付近、「停止位置検知用センサ」は進行方向1両目と2両目の連結部、「車両ドア開閉検知用センサ」は編成両端の車両ドア上部にあります。

車両ドア開閉検知用センサ
手前:在線検知用センサ
中央:停止位置検知用センサ
奥:従来のQRコード読み取りカメラ
車両側のQRコードも4月1日時点では現存

なお、2年間の役目を終えた車両ドアのQRコードや読み取りカメラは取材した4月1日時点で現存していました。おそらく他の目的で使用されることもないと思うので、今後撤去されるのでしょうか。

3 おわりに

神戸市からQRコード式ホームドアが消滅したことで、今現在の導入事業者は都営地下鉄浅草線・京浜急行電鉄・小田急電鉄の3社局に減りました。このほか、JR東海が将来の導入に向けて実証試験を行っています。

出典・参考文献

脚注

References
1 交通局ホームページによると3月13日から。

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