Osaka Metro 御堂筋線のホームドア:本格導入タイプ
Osaka Metro(大阪市高速電気軌道)御堂筋線では、2021年度末までの可動式ホーム柵(以下:ホームドア)全駅整備が計画されています。大阪市交通局に先行導入された天王寺駅と心斎橋駅以外の18駅については2020年度から本格的な導入が始まりました。
目次
1 ホームドアの概要
タイプ | 腰高式 | |
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メーカー | 不明 | |
開閉方式 | 開扉 | 自動(定位置停止検知) |
閉扉 | 車掌手動操作 | |
停止位置 | ±650mm(TASCあり) | |
開口部幅 | 2,600mm | |
寸法 | 筐体 | 【推定】高さ1.3m×厚さ0.2m |
扉 | 【推定】高さ1.2m | |
非常脱出口 | 開き戸式(各号車連結部) | |
安全装置 | 居残り検知センサ | 光電センサ(一部3Dセンサ) |

外観の特徴からメーカーは日本信号と推測されます。構造面での大きな変更点として、各号車の車両連結部に開き戸式の緊急脱出口が設けられました。デザイン面は同時期に整備が始まった谷町線や堺筋線のホームドアと概ね共通で、開口部の縁に入れられた縦方向のラインカラーや、より洗練された各表記類のフォーマットなどが特徴です。

各開口部の居残り検知センサは主に光電式ですが、先行導入駅では3点だったのに対し、本格導入駅では大半の箇所が2点に減少していました。また、乗務員出入りスペース確保のため筐体がセットバックされている編成の最前部・最後部は、2Dセンサから3Dセンサに変更されています。特殊な例として、中津駅2番線の天王寺・なかもず方3両分はカントで車体が傾く関係かセットバック量が大きいため、光電センサ3点または3Dセンサが使われていました。
2 ホームドアの開閉方式
2.1 現在の開閉方式

先行導入駅は開閉ともに車掌手動操作でしたが、本格導入駅では車両前面を測定する「定位置停止センサ」の判定結果によってホームドアを自動開扉する方式となりました。閉扉は引き続き手動操作ですが、 これによりホームドア操作や安全確認に要するタイムロスの削減が図られています。なお、時期は不明ですが先行導入駅も同じ方式に改修済みです。
2.2 今後の計画

御堂筋線ではホームドア本格導入に合わせてTASC(定位置停止装置)が整備されており、将来的にはこのトランスポンダ装置を活用した車両ドアとホームドアの開閉連携化が行われる見込みです。ただし現時点でTASC非対応の車両がまだ存在しているようで、連携化は全編成の対応が完了し次第になるものと思われます。
3 おわりに

2021年12月末時点で残るホームドア未設置駅はなんば駅のみになりました。順当に進めば、予定通り今年度中にはOsaka Metroで5路線目[1]南港ポートタウン線(ニュートラム)を含む。の全駅整備が完了しそうです。また、直通する北大阪急行線も含めた千里中央駅~なかもず駅の全区間でホームドア設置済みということにもなります。
出典・参考文献
- 可動式ホーム柵の設置状況|Osaka Metro
- Osaka Metro Group 2018-2025年度 中期経営計画について|Osaka Metro
- 喜多 玲匡「御堂筋線への可動式ホーム柵導入」『鉄道と電気技術』Vol.32-No.8、日本鉄道電気技術協会、p19-23
脚注
↑1 | 南港ポートタウン線(ニュートラム)を含む。 |
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