西武鉄道のホームドア:西武池袋駅2~6番ホームのタイプ

西武鉄道池袋線のターミナル駅である池袋駅では、2016年3月5日に2番ホームで同社初となるホームドアが稼働開始されました。続いて3番ホームは2016年度に、4番ホームから6番ホームは2017年度に順次整備されましたが、1番ホーム・7番ホームおよび特急専用ホームは整備対象から外れています。

1 ホームドアの仕様

タイプ 腰高式
メーカー 日立製作所
開閉方式 開扉 自動(定位置停止検知・両数検知)
閉扉 車掌手動操作
停止位置 ±550mm(TASCなし)
開口部幅 【推定】2,900mm
寸法 筐体 【推定】高さ1.3m×厚さ0.2m
【推定】高さ1.2m
非常脱出口 なし
安全装置 居残り検知 3Dセンサ

ホームドアのタイプは一般的な腰高式、開口幅は推定2,900mm、メーカーは日立製作所です。

西武の一般型車両の標準である片側4ドア車に合わせた構造のため、特急型車両の10000系「ニューレッドアロー」や2ドア車の4000系には対応していません。また、3ドア車の3000系はホームドア設置前の2014年12月に池袋駅乗り入れ運用から撤退しています。

開口部のR面取り
車両ドア間の筐体
車両連結部の筐体
支障物検知センサと非常開ボタン
最後部には車掌向け表示灯も内蔵

筐体の縁にR面取りが施されている点は他社のホームドアではあまり見られない特徴です。扉部分は鮮やかなブルーに塗装されており、このデザインは同駅以降のホームドアにも継承されました。

各開口の片側には3D式支障物検知センサと非常開ボタンが設けられています。

2 ホームドアの開閉方式

2.1 開閉方式の概要

同駅のホームドア開閉方式は以下の通りです。

  • 開扉:自動(両数検知・定位置停止検知)
  • 閉扉:車掌手動操作

各種センサが列車の定位置停止と編成両数を検知することで自動開扉し、閉扉は車掌が直接操作盤のボタンを押す方式が採用されています。車種や列車種別を判別する機能は無いためか、かつて4000系が定期運用で1・2番ホームに入線していた頃も2番ホーム側のホームドアは自動開扉していたようです[1]ホームドアのない1番線側で降車扱い後、折り返し回送となる運用だった。

2.2 各種機器の概要

車両連結部の位置を測定するセンサ
両数検知用センサ
列車の移動量を測定するセンサ
停止位置マーカーは車種によって色分けされている

ホーム終端側から1-2両目連結部に複数設置されているセンサは車両連結部の位置を測定し、同時にホーム終端側のセンサが列車の移動量を測定することで、列車が定位置範囲内に停止したかを検知しているようです。

10両編成と8両編成を判別するためのセンサは終端側から9両目付近に設置されており、入線した列車が10両編成なら両方を、8両編成なら2基中1基のみを車両が塞いで停止するため、その結果に基づいてホームドアを自動開扉する範囲を決定します。

通常の乗務員操作盤
乗務員出入り時に使用すると思われる小型操作盤

乗務員操作盤は停止位置が多少ずれていても操作しやすいように開閉ボタンが3個ずつ設けられています。また、8-9両目の連結部分には通常の操作盤に加えて小型の操作盤があり、これは8両編成の乗務員がホームに出入りするために隣接する1か所の開口だけを開閉できるボタンだと思われます[2]8両編成の1号車部分には乗務員出入り用の扉が無いため。

3 おわりに

現在は10000系や4000系が定期列車で池袋駅に乗り入れなくなったので、残る1・7番ホームおよび特急専用ホームも環境的にはホームドア設置可能になりました。全ホーム整備完了が待ち望まれます。

その後、2020年度までに練馬駅・西武新宿駅・国分寺駅などの主要駅で整備が完了しています。新宿線では大開口タイプ、国分寺駅多摩湖線ホームでは軽量タイプが採用されるなど、同一会社内でさまざまな形態が見られるようになりました。

出典・参考文献

脚注

References
1 ホームドアのない1番線側で降車扱い後、折り返し回送となる運用だった。
2 8両編成の1号車部分には乗務員出入り用の扉が無いため。

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